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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第21章 教えてセンセイ(*)



「あーやっと追いついた…って、何してンすか?会長と麦わら…相撲?」

シャチたちから話を聞き後を追うようにバタバタと忙しなく風紀委員室に辿り着いたペンギンが、目の前の光景にはて、と首を傾げた
取っ組み合ったまま一歩も譲らない様子のローとルフィ、その間で困り顔のセナと心底気怠げなキッドが立ち尽くしている
これが一体どんな状況なのか、全くといっていいほど想像もつかない



「キャプテンはセナのことになると必死すぎだよね」
「うるせェぞベポ。口を動かす暇があるなら手と頭を動かせ」
「ロー、ベポに八つ当たりしないでよ…ルフィも悪気があったわけじゃないんだし」

広すぎる風紀委員室の長机を囲み、それぞれが教科書や問題集を広げて勉強を開始した。分からないところが出れば、分かる人に聞いて苦手をしらみつぶしに克服する

古文の範囲についてローに尋ねたベポが、その隣で黙々と問題を解くセナを見て、再びローに視線を戻した
そして呆れ気味に呟いたのがさきほどのセリフである

ペンギンが首を傾げた数秒後には、次々と仲間たちが風紀委員室にたどり着いた
勘のいいナミが状況を言い当てたことにより、シャチとベポが必死になってローを説得して大事には至らずに済む

説得に随分と労力を費やしたのが、ローと長年の付き合いであるベポだった
誰よりローのことを理解している彼にも、セナのこととなると勝手が違う

「いいよ、セナ。でも俺、嬉しいんだ」
「嬉しいの?八つ当たりされるのが?」
「違うよ!キャプテンがさ、コラさん以外の人のことでムキになるのって初めてなんだよね」

もちろんベポや同じく付き合いの長いシャチとペンギンのことでも、他人にいらぬ口出しをされれば怒ったりすることもあった
コラソンの事に関してはムキになるが、当のコラソン自身がローよりも遥かに大人なので何かと守るより守られることの方が多い

「セナ居て、キャプテン変わったよ。なんか…人っぽい」
「ふふ、人っぽい!」
「どういう意味だオイ」
「キャプテンにもちゃんと感情があったんだなぁ。…八つ当たりは勘弁してほしいけど」

セナのこととなると、感情的とは無縁だったローにも相応に感情が伴うことを知る
そうして彼を本来のトラファルガー・ローという人間にしたのは、彼女の存在があってこそ
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