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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第21章 教えてセンセイ(*)



数日前、セナが攫われたときのことを思い返す
彼女を助け出すために、大勢の仲間が力を合わせた。その中にはもちろん恋人のローも、親友のキッドも含まれる

『人って、変わるモンだな。ロー』

特にローとキッドは互いだけでなく、他人と馴れ合うこと自体を嫌っていた節があった。けれどそんな2人も、たった1人の女性のために変わろうとしている

セナのためならば、彼女が望むのなら。協力し、手を取り合うことさえ厭わない

例え己の意思とは反していようとも

「…ソン、…い」

感慨深げに思い耽っていれば、強く腕を引かれ現実に引き戻された

「コラソン先生!大丈夫ですか?ボーッとしてましたけど」
「セナちゃん…悪ィな。大丈夫だ」
「最近授業のときにしか来れないみたいですけど…本部のお仕事忙いんですか?」

声を潜めたセナが、心底心配そうな顔で苦笑いを浮かべるコラソンを見上げる

ごく一部の人間しか知らない、コラソンの正体…この学園の長であるドンキホーテ・ドフラミンゴと血を分けた弟
セナが入学してから、ローが能力を使ってしまったことにより…彼は教科担当を外され学園の本部職に戻る予定だった

『これ以上下手な動きをする気がねェんなら…授業に出ることは許可してやる』

逆らえない、学園長の言葉。しかしいきなり姿を消すのも変に思われることをドフラミンゴも思い至ったのか、こうして授業に出ることだけは許されるようになった

けれどそのことを、セナは知らない。ローはコラソンの役目や立場を理解しているので、話してはいるが彼女にはいらぬ心配をさせないように口止めしてある

「そうなんだよ。この学園は大きいから、管理事項とかが多くて」
「そうですよね…休めるときは、休んでくださいね?」
「ありがとう。心配いらないよ」

目下の栗毛をポンポンと撫でて、安心させるように柔らかく笑みを浮かべた

大切な我が子のようであるローの、大事な想い人をコラソンだって全力で守ってやりたいと思う

コラソンのために能力を使うことをしなかったローが、彼女を守るために能力を使った
そのために、自分は兄の元へ戻らなければならなくなったのだが…それでコラソンにローを責める気などさらさらない

「セナちゃんは、何も心配しなくていい。ただ、ローの側に居てやってくれ」
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