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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第21章 教えてセンセイ(*)



未だ呑気に1-Cの出入り口を陣取っていた仲間たちをかき分け、入ってきたのはコラソンだった
既に本鈴が鳴る直前なので流石に教師として、この状況を放っておくわけにはいかない

「コラさんが次の授業だったのか」
「ロー!お前が居るのになんでこんなことになってんだ!」
「?こいつらが勝手に居るだけだろ。俺には関係ねェ」
「お前は生徒会長なんだぞ?!セナちゃんと居たいのも分かるけどな」

日頃忙しいローの両親に代わって、特に学園では彼の親代わりともいえるコラソンが珍しく眦をつり上げる

「ごめんなさい、コラソン先生」
「セナちゃんも、生徒会の一員なんだからな?あと悪いんだが、ローのことも頼むよ」

セナが謝ると申し訳なさそうに笑ったコラソンはそう言って、身を屈め耳元に顔を近付けた

「ローの奴、ホントにセナちゃんのこと好きなんだよ。だからセナちゃんの言うことなら、聞くだろ?」
「ふふ、分かりました」

「2人で何コソコソやってんだ」

目の前で仲睦まじげな内緒話を見せつけられて、あからさまに不機嫌になったローが割り込んでくる
たとえ絶対的な信頼を置くコラソンが相手でも、見ていて気分のいい光景ではない

「ロー、放課後ちゃんと来てね?」
「あァ、分かってる」
「悪ィ悪ィ、ほら。さっさと戻れよ」

コラソンからバシバシと加減なしに背中を叩かれ、ローは呆れ気味に溜息を吐いた
この2人を前に、自分が敵うわけもなかったと

「戻るぞ、ユースタス屋」
「いや、いきなり指図してんじゃねェよ」
「キッドも放課後、お願いね!」
「へーへー、分ァったよ」

既に本鈴は鳴り終わり、いつの間にか他の仲間たちは散り散りに各自教室へ戻っていた
ローとキッドは同じクラスだが、待つ義理もない間柄である。言い合いながら去って行く後ろ姿を見送ってコラソンが首を傾げた

「なんでユースタスはローを待ってたんだ?」
「結構仲がいいんですよ、あの2人。似てるんです」

顔を見合わせれば、喧嘩ばかりするローとキッドは明らかに犬猿の仲である
けれど、根底には揺るがぬ信条と信念を持つことにおいて2人はよく似ていた

さらに互いのそれにはセナが大きく関わるのだけれど、そのことをセナ本人は知り得ない

「なるほどねェ…敵わないな、セナちゃんには」
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