生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第21章 教えてセンセイ(*)
くるりと仲間を振り返ると、皆一様に引きつった笑みを浮かべていた。今年入ったばかりの1年陣を除いては
訳がわからず首を傾げるセナを見かねて、心情を代弁するかのように魚を齧っていたベポが苦笑いを浮かべて口を開く
「キャプテンの容赦しないは、ホントに容赦ないから嫌だなぁ」
「ベポはローに教えてもらったことがあるの?」
「うん、去年の冬にね。麦わらたちも一緒にだよ。進級かかってたからさ」
当時の光景を思い出したのか、ベポは小さく身震いをして溜息を吐いた
「あれはテメェらが一切をこっちに丸投げしてこようとしたからだろうが」
「いやぁ、あれは…なァ」
「トラ男ならなんとかなんじゃねェかなって」
「当時の3年生徒会長を差し置いて、学園首席だったしな」
明後日の方向に視線を逸らしすサンジと、背凭れに顎を乗せて唇を尖らせたルフィ、腕を組み目を閉じたままのゾロが気まずげに言葉を連ねる
「人間って得手不得手、って言葉あるじゃん。まさしくあれだよね」
「テメェはクマだろ、ベポ」
「クマですみません…」
「ちょっと、ベポは傷つきやすいんだから…大丈夫?きっとクマにもあるよ、得手不得手」
「ありがとう、セナ…」
大きな図体をしょんぼりと縮ませたベポを慰めるように、セナは寄り添いふわふわの毛並みを撫でた
「おい、セナ。ベポを甘やかすな」
「別に甘やかしてないでしょ?励ましてるだけ」
ベポに未だ寄り添ったまま、少しムッとした表情を浮かべたセナはローを軽く睨みつけた
そうすれば今にも痴話喧嘩が始まりそうな雰囲気に、ペンギンが口を挟む
「会長、嫉妬ならちゃんと言わないと。コイツ分かんないッスよ」
「誰が嫉妬だと?ペンギン」
「いや明らかに嫉妬でしょう。セナもいい加減、会長の性格把握しろよ」
やれやれと肩を竦めたペンギンが、今度はセナに向き直り頭を軽く小突いた
頭をさすりながらふて腐れたように唇を尖らせていると、シャチがケタケタと笑い声をあげる
「セナはオカン怒らせると恐いのも覚えておかなきゃな!ってェ!本気で殴ったな?!」
「シャチの余計な話は気にしねェけど?」
「明らかに気にして殴ってんだろーが!」
「2人とも、うるさい!」
幼馴染のコントはこれにて終了。それと同時に昼休みも終わりを告げた