生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第21章 教えてセンセイ(*)
触れられたことで、現実に戻ってきたセナはきょとんと目の前で難しい顔をしているローに首を傾げた
眉間の皺が一本増えている気がするのは、決して気のせいではないはずだ
「どうし「何を考えていた?」
間抜けな顔を映し込んだ瞳が、細められるとそう問いかけられた
ここでようやく思いの外考え込んでしまっていたことに気付いて、深く反省するとともに後悔する
先ほどみんなが話していた、ローはセナに対して過保護や心配性が過ぎるのだと
「なんでもないよ!ちょっとボーッとしちゃったかな…心配させてごめんね?」
自分の勝手な勘違いを露呈したくはない。自惚れていると、ローに笑われてしまえば立ち直れない気がする
「あっそうだ、今日から放課後みんなで勉強しない?ローに教えてもらいたいの」
話題を逸らすように、他の仲間たちに視線を向けて中間試験のための勉強会を提案した
セナの提案に名案だと、仲間たちはウンウンと賛同するばかり
ただ1人を除いては
「俺がこいつらに教える義理もねェな」
「そ、んなこと言わないで、ね?」
「ならさっきの質問に答えろ」
「え…?」
突然答えを求められ戸惑うと、ただでさえ増えた気がしていた眉間の皺が更に一本追加された
さっきの質問とは、話の途中に考え込んでいた内容のことだろうか
「だからなんでもないって…」
「お前な…いい加減嘘が下手すぎることを自覚して、悪あがきはやめておけ」
「悪あがきって何…嘘吐いて、ないもん、」
ことの外拗ねたような口調になったのが、とても悔しい。日常茶飯事的に置いてけぼりの仲間たちは、薄っすらと苦笑を浮かべてやり取りを見守る
「どうせまた、マイナスに突っ走ってたんだろ」
「違うってば!ローには、関係ないでしょ?」
「…例え関係ないとして、それがどうした」
「ッツ…どう、って。関係ないんだから、気にしなくていいじゃない」
ちっぽけなことでいつまでも悩み続けるような性格に、無理に付き合うことはないだろう
「ローこそ、私だけに構わないで…もっとクラスの女子とか、みんなと話してあげればいいのに」
「…それが原因か」
「原因ってわけじゃないけど…あ、」
気付いた時には、気にしていたことをポロリと口にしてしまっていた
ローが此方を見つめると、肩を引かれ耳元に唇が寄せられる。フッと軽く笑った気配を感じた