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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第21章 教えてセンセイ(*)



いつもと態度の違うキッドを訝るセナの言葉に、呆れ気味に首を傾げた

「優しいんじゃなくて。普段セナがしねェようなことをしたら、流石のトラファルガーでもテンパるだろ」
「え、そうかな?想像できないけど」
「まァ顔には殆ど出ねェかもしれねェけど…それなのに動揺して変な行動とかしそうじゃねェか。そうなりゃ盛大に笑い飛ばしてやれるだろうが」

どんな想像をしたのかは知らないが、キッドは大口を開けて笑い涙まで浮かべている
要するに、優しさからの言葉ではなく…ローの滑稽な姿を見たいための誘導だったらしい

「キッド」
「あ?」
「放課後2人でテスト勉強しない?教えて欲しいな」
「ッ…は?!」

なんの脈絡もなく、突然の誘いにキッドは動揺を隠せず言葉を詰めた
あからさまに驚いた表情で、セナを見下ろす

「これくらいでローが動揺するわけないでしょ?」
「…はァ?…あ゙ー、そうかよ」
「ふふ、キッドは動揺したね。2人じゃないけど勉強は一緒にしよ?みんなにも後で声かけるから」

セナはニッコリと笑って、目線を合わせる為に屈んでいたキッドの髪をポンポンと撫でた
きっと彼女に他意はない。先ほどのやり取りも試したのだとか陥れようとしたのではなく、ただ純粋に疑問だっただけ

何の悪気もない。だから、これ以上を責められない

「…どうせ行くまで誘いに来るんだろ。タチの悪ィ天然女め」
「?どういう意味?」
「分かんねェなら、気にすんな。こいつも、まァ今日だけは見逃してやるよ」

未だに制服の襟元を掴まれたままだったウソップは、顔面蒼白で白目を剥いてしまっている…きっと死んだフリだ
ドサリと床に落とされると、衝撃に意識を取り戻したように見せかけ颯爽とキッドから距離を置いた

「いやァ、助かった!セナ、今度なんか奢らせてくれ」
「現金な野郎だぜ」

「それよりちゃんとカヤちゃんに説明して、謝ってあげて?」
「お、おう…そうだな」
「カヤちゃんなら、きっと許してくれるから。ね?」

バツが悪そうに視線を落としたウソップも、セナの言葉に意を決したのかコクリと頷く
そこでタイミングよく鳴ったチャイムは、授業開始を告げる本鈴だった

「俺次移動じゃん!セナもユースタスも、また昼に会おう!」

脱兎の如き早さで、ウソップはその場を去って行く
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