生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第21章 教えてセンセイ(*)
青筋を浮かべたシーザーの言葉に、ローは膝をはらい立ち上がる
「ごめん、ローまで授業…先生に怒られちゃうね」
「心配しなくていい。俺を誰だと思ってる」
しゅんと落ち込んだセナの頭をポンポンと撫でて、授業時間も半ばを過ぎた頃ようやくローが化学室を後にした
セナは慌てて席に着くと、配られていたプリントに目を通す
やはり分からないところがいくつかある
ひとまず学習済みの範囲を解くためにシャーペンを手にして、ちょうどそれらが解き終えたところで授業終了のチャイムが鳴った
「わっかんねェ〜〜〜なぁ」
「私も半分くらい分からなかった…」
「まぁセナは分かるけど、なんでシャチくんまで分からないのかは疑問だわ」
「ナミさん厳しい!」
教室へ続く廊下を、3人並んで歩いていると反対方向から猛ダッシュで駆けてくる1人の男子生徒が唐突にセナの背後に身を隠す
何事かと足を止め、セナ自身も側の2人も顔を見合わせる
「セナ!頼む!匿ってくれ!!」
「ウソップくん?」
青い顔をしてガタガタと震える男子生徒はよく見れば仲間である1-Aのウソップだった
特徴的な長鼻は恐怖のあまり縮み上がり萎れているように見える
「あの長鼻!どこ行きやがったァ?!」
「キッド!だ、誰か探してるの?」
「あ?…セナか。って、そこに居んじゃねェか!見えてんだよ!!」
「ギャアアアアア!命だけはお助けを〜〜!!」
「セナにしがみついてんじゃねェぞ!諦めて出てきやがれ!」
「ヒィいいいいい!!」
大股で歩み寄ってきたキッドが、怯え隠れるウソップの腕を掴んで引き寄せようとするのだが
命まで奪われそうな剣呑なオーラを放たれているため、最後の砦であるセナにしがみついて離れない
その行動が、さらにキッドの怒りへと火に油だとは気付いていないようだ
「ウソップくんが怖がってるから、ちょっと落ち着いてよ」
「そっそそそそうだ!セナ!もっと言ってやれェ!!」
「ァア゙?」
「もう!そもそも何の用なの?すごく珍しい組み合わせだけど」
ひとまず話を逸らすためにどうしてこんな状況なのかを問いかけるとキッドの意識はセナに向く
「こいつが…不要物を持ち込んでやがったんだよ」
「不要物?って、なんでそんな…あ、」