生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第20章 ハートに鎖(*)
自分のペースだったはずのセナはいきなり主導権を握られ、身構えることもできずに目を見開いた
最奥まで埋め込まれたロー自身の質量と熱に、じれったさとはまた別で身を焼く思いだ
一瞬呼吸が止まりそうになるが、唇を重ねたローが思い出させるように息を吹き込む
「ン、っふぁぁ」
はくはくと呼吸を繰り返すのを邪魔しない程度に、少しだけ震える唇が何度も啄まれた
微かに触れては離れていくだけのソレに、くすぐったさから身をよじる
「ぁ、ロー…?」
「大丈夫か」
「ん…」
恥じることも忘れるくらいの今の行為には似つかわしくない、純粋で清らかな口付け
こうして身体を重ね合わせていることより、何故だか今は恥ずかしく思えた
そして恥ずかしさと同時に、行き場のない燻る熱が物足りなさを訴え始める
「ロー…ッも、ぅ」
熱に蕩けた瞳で縋るように見上げれば、見つめる瞳がフッと柔らかく細められた
そうして何度目か、ローの顔が近付いてきたかと思うと耳元に唇が触れる
「ロー?」
「…もう、離れんな」
「ン、っアァッ?!」
吐き出された言葉は声は、彼の口からは初めて耳にするほどに震えていた
そのことにほんの一瞬だけ反応が遅れると、返事を口にする前に腰を打ち付けられてしまう
「ふぁ、ッ…ろ、ぉ…待っ!」
「待たねェ」
どうにか言葉を紡ごうと口を開きかけるが、追い詰めるような腰の動きに舌を噛まないようにするのが精一杯だった
「や、ァッ?!ぁ、はぁ、ッツ!!」
「どんな返事だろうと、ッ別に関係ない」
再び唇を合わせるために一瞬だけ見えたローの表情は、言葉と裏腹に不安を湛えているように見える
そんな姿に胸の奥が締め付けられる気分だった
「ン、あッ…ろ、ッあ!!ふ、ぅ…ッロー!」
だから舌を噛んでしまうのも構わずに、セナはローを見つめ…ニコリと微笑む
「…ッ?」
「ローを、ッ…たくさん傷付けて、ごめんなさ、ぃ、ッ!」
予想外の反応だったのか、動揺したように動きがぎこちなくなる
このタイミングを見逃さず、セナは少しだけ口早に想いを口にした
「逃げようとして、諦めようとして…バカな女で、ごめんなさい…」
傷つくことばかり考えていた。ローは一度だってセナを傷付けることなどなかったのに
ローの幸せを願うフリをして、本当はそうならないでと願い続けた