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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第20章 ハートに鎖(*)



「ん、ふぅ…ッ!」

口付けに酔いしれていると、ゾワリとした痺れが走った
離れないことを確信してか後頭部に添えられていた手が、耳の輪郭を撫で首筋をなぞり、うなじをくすぐる

セナは普段から感じやすい方ではあるが、今日ばかりはその感度がより一層増しているようだった
まるで全身がおぞましい感覚を消し去るように、ローに触れられた部分から僅かな刺激でも目敏く反応を示す

「は、ぁっ…ロー…」

唇を解放すれば、ぐったりとソファに身を沈めたセナが熱を孕んだ視線でローを見上げる
触れる素肌も口を吐く息も熱く、全身がローの熱を移し込み蕩けるような感覚だった

肩に羽織っていただけのセナには大きすぎる上着が、パサリとソファの下に滑り落ちる

「ッ」

そうしたことでローの目の前で露わになったのは本来の機能を果たせなくなった衣服を身に纏ったセナの姿
布地が破れた箇所は素肌を露わにし、所々傷が見受けられる場所もある

腐り切った正義の下に男どもは無理やりセナを組み敷き、抵抗を見せれば容赦なく傷を残したのだろう
あの場所へ辿り着くのがあと一歩遅れていたのならば…その末路を考えてみただけで、怒りという言葉だけでは到底言い表せない感情がローの全身を支配した

「ロー、?」

突然動きを止めたかと思えば、凝視してくるまま一言も発さなくなったローに恐る恐る声を掛ける
先程ほんの一瞬で彼の纏うオーラが刺々しく変化したのが分かった

その理由はきっと、今置かれている自分の姿が関係しているのだとも
彼が助けに来てくれたとき、自分は他の男を受け入れるしかない諦めの覚悟をしていたのだから
その痕跡は、ソファに沈んだ身体の至るところに色濃く残っている

「無理しなくて、いいよ」
「無理、だと?」
「こんな傷だらけになって、汚れてしまったの。抱く気なんて、失せるでしょう?」

言葉や感情とは裏腹に、本能は正直なものだ
身体が反応しなければ、この先の行為は成り立たない

素肌を重ね合わせることだけが愛し合うことの全てではないけれど
気付けば零れ落ちる涙が頰を濡らしていた

「ごめんね…ごめんなさ、ッ」

ぼやける視界が暗転した刹那、早くなる呼吸が止まってしまいそうなほど強い力で抱き締められる
同時に盛大な溜息が頭上から降ってきた

「お前はいつもいつも…」
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