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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第20章 ハートに鎖(*)



「え?」

突然のローの呟きの意味がわからず、セナは腕の中から見上げて首を傾げていた

「こっちの話だ」

大きく澄んだ瞳に映り込む自分の顔を見て、フッと目を細める


目の前にいるセナという女は嘘がとことん下手くそで、駆け引きなんて出来るようなタマじゃない

だから
ローの幸せを願って身を引くのも本心
心に鎖をかけるなどと狂気じみた言葉を受け入れるのも、また

セナにとっては本心


すべては彼女の思うままに

「敵わねェな」
「誰に敵わないの?」

相変わらず不思議そうに此方を見上げる顔に、顔を寄せて唇を奪う
唐突な触れるだけのソレに、初々しく顔が真っ赤になったのを確認して笑みをこぼした

「内緒、だ」
「ええ…ッ、ン!?」

ローの答えに不服を訴えようとしたところで、セナはビクリと全身を強張らせる
妖しく素肌に触れる熱に気付いたから

「や…ぁ、ロー?」
「なんだ」
「あの…手、が」

互いの身体を密着させたままで、ローは腰に回していた手を脇腹に潜り込ませていた
ツッ…と指を這わせれば、面白いくらいに全身が跳ねる

「何処を、触られた?」
「ンン、ちょ…やッ」
「セナ、お前は誰のモンだ」
「ッ…ふ、ローのモノ、よ?」

脇腹から腰に指先が回ると、背骨をなぞるように撫で上げうなじをくすぐった
ゾクゾクと痺れにも似た感覚が、全身を蕩けさせる

「なら、分かるな?」
「ハァッ、全部…全部ッ…ローの、だから」

ちょっと触れられただけで全身を巡る熱に浮かされる、うわ言のように途切れ途切れでしか言葉を紡げない
真っ直ぐに見つまたくる瞳を見つめ返して、何故だか涙が零れた

「消して…全部ローで、消毒、して…?」

浮かべられた涙は、忌々しい記憶のせいか生理的なモノか分からないけれど
再び近付いてきたローの薄い唇から覗く舌先が、零れ落ちる涙を掬い舐め取ってゆく

「泣くな」
「ごめ、」
「全部忘れさせてやる、お前は俺だけでいい」
「ん…私もローだけがいい…」

惹きつけ合うように、唇を寄せ合い深く重ね合わせる
ローは少しでも離れることを許さないように後頭部に手を添え、角度を変えながら何度も甘く口内を犯す
いつもは逃げがちなセナも、首に腕を回し積極的に舌を絡ませ吸い上げた

そのまま再び背中に柔らかな反発を感じる
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