生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第6章 焦がれる指先
二度寝という最高の微睡みの中声が聞こえる
『セナ、』
男の人の声だ
ペンギン?シャチ?
聞き慣れた2人の声とは違う気がしたけど、私のことをこうやって起こしにくるのは2人しか居ない
『起きろ、そして服を着ろ』
ペンギンに渡された着替え一式、ちゃんと受け取って…スカート履いて、上を脱いで…
もうシャチ…そんなに揺らさないでよ、起きちゃうでしょ…乱暴なんだから
薄っすらと目を開ければ、窓からの光で顔がよく見えない
眩しいのと眠いのとで再び瞼を閉じた
「ッおい!なんでまた目を閉じる?!起きろ、セナッ!!」
「あとごふん…」
「チッ、起きねェならこのまま襲うからな…」
おそう?何を…?
わけ分かんない。
そういえば昨日初めて会った人は、似たような脅し文句を言ってたなぁ
『俺の気が長い内に呼ばねェと、キスをする』
初対面の私を助けてくれたけど、何故か付き合うことにもなってしまった
とてもカッコいい二つ上の先輩、すごく自信家で俺様なくせに何かと嫉妬して怒るし
あと、名前で呼ばないと拗ねちゃうんだっけ
「ふふ、可愛い…」
「あ?」
そういえばさっきから聞こえる声は、そんな彼によく似ているような…そんな筈はないんだけどね
ええっと、名前は確か…そうそうトラファルガーさん。で呼ばなきゃいけない下の名前が…
「…ロー…」
「なんだ」
「…え?」
返事された…?
「ハァ、ったく…」
「んぐ!」
唇が柔らかくて温かいモノに塞がれたかと思えば、頭が理解に追いつく前にぬるりと何かが口の中に侵入してきた
逃げようと思ってもいつのまにか後頭部に添えられた手がそれを阻止している
口内をくまなく蹂躙するのは、長い舌だ。まるで生き物のように蠢くソレに、舌を絡められ吸い上げられればゾクゾクと全身に甘い痺れが走る
となると、唇を塞がれたこれはキスをされているのか…薄っすらと目を開けようとしたとき
「ふ…ぅ、ンンッ」
呼吸を全て奪われて、鼻から甘えたような吐息が漏れてしまう
その吐息に気を良くしたのか、暴れまわる舌先が上顎をくすぐる様に撫でるので息を詰めて思わずまた目を瞑ってしまった
息苦しさに意識を飛ばしかけたところで、ようやく唇が離れたみたい
「んぅ」
「ふ、っ」
完全に目覚めた頭で、ゆっくりと瞼を開ければそこに居たのは幼馴染の2人ではなくて…