• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第19章 お前を許さない



セナの手を取り、恭しく膝をついたサンジがアレコレと騒ぎ立てる
隣から伸びてきたナミの拳骨をお見舞いされても、怯まない
今のサンジには痛々しく顔を腫らし、見るに耐えかねない格好のセナしか見えていないようだ
しかし、顔は俯き視線は逸らされているのだけど

「あ、あの…ッサンジさん」

握られた手にもう片方の手も重ね、セナが声を掛けた
呼び掛けられたコトにより、サンジは顔を上げる

「グハァ…ッ」
「きゃ、っ?!」

次の瞬間数分前に見た鼻血の噴水を撒き散らしたのは言うまでもない
そして更に時を同じくして背後に立っていたローが、セナの身体を己に引き寄せる
よって血まみれになる被害は逃れた

「ロー、ありがと」
「黒足屋…テメェいい加減にしろ」
「悪かったって…」

ローはセナを背に庇い、しゃがみこんで鼻血を止めているサンジを睨みつける
流石にバツが悪そうに、サンジは視線を逸らした
すると今度はローの背後から顔を出したセナが声をかける

「サンジさん、心配掛けてごめんなさい…あと、助けに来てくれて有難うございます!」
「ッツ…!!!」

ぺこりと頭を下げて、困ったように眉を下げながらも微笑んだセナにサンジは再び膝から崩れ降り、胸を押さえた
チッと舌打ちを吐いたローが、セナを振り返る

しかし渦中のセナはそんなサンジを余所に、ローの視線にも気付かず近付いてくる足音に目を向けた

「「セナ!!」」
「!ペンギン…シャチ!!」

示し合わせた訳でもないのに、次々と陽動に動いていた仲間たちが集まってくる
現れたのはセナの幼馴染のシャチとペンギンだった

「シャチ、良かった…!無事で」
「バカ!俺はあんなもんじゃ死なねェっての」
「セナも、無事で何よりだ」

学園を出る前の騒動から、ずっと気掛かりだったシャチの容態
今でも彼を危険に晒した感覚は、覚えている
まさか助けに来るほど回復しているとは思わなかったが、その元気が有り余るくらいの姿にセナは心底安心した

「本当に、シャチが生きてて良かった…」
「うぉわ!…なんだよ、泣いてんのか?」

思わず抱きつくと、涙が溢れて止まらなくなる
ポンポンと背中を撫でられ、同様に撫でられている頭はきっとペンギンの手だ
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp