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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第19章 お前を許さない



結局それ以上返答は得られないまま、ローは愛刀を手に取ると、片手でセナを抱え上げサークルを張った

「"ROOM"ーシャンブルズ」

地上に落ちていた小石が一瞬で消え、小石があった場所には瞬時にローとセナの姿が現れる
ローのオペオペの実の能力で、閉鎖的な地下空間から鬱蒼と木々が覆い茂る地上の森の中に2人は瞬間移動したのだった

「セナさん!」

2人の姿が現れた一呼吸あとに、誰かがセナの名を呼んだ
振り返るとそこには遅れて辿り着いていた、たしぎとスモーカーの姿があった
いきなり目の前に現れたセナの姿にたしぎは困惑している様子である

「たしぎさん!スモーカー先生も!」

ローの腕から降ろしてもらうと、セナは2人の元へと駆け寄る

「セナ、お前…殴られたのか」
「あ、っ…えっと」

どこか安心したように駆け寄ってきた姿を、間近で見ると思わずスモーカーが声をかけた
腫れはだいぶ引いていたが、赤黒く鬱血した部分もある両頬
スモーカーがそっと触れると、セナはピクリと表情を歪める

「…悪かった」
「スモーカー先生が謝ることないですよ?助けに来てくれて、ありがとうございます」

頰に触れた手に手を重ね、セナは柔らかく微笑んだ
スモーカーは思わず目を逸らし、込み上げてくるものをグッと抑え込む

「?スモーカー先生?」
「当たり前だろ、お前は大事な生徒だからな」

「おい白猟屋、手を離しやがれ…」

セナの頰に添えていた手をギリギリと掴まれ、視線を動かせば不機嫌そうにスモーカーを睨むローが立っていた

「相変わらず余裕ねェな、ロー」
「うるせェ、いいから離せよ」

ギリギリと骨が軋む音が聞こえそうなほど強く掴まれると、ようやく手を下ろす
添えられていたセナの手は、下ろす瞬間に颯爽とローにさらわれていた

「愛されてますね、セナさん」

一部始終を見ていたたしぎが、ほんのり頰を染めながら言葉を挟むと、つられるように真っ赤になったセナが慌てふためく

「たしぎさんっ!これは、その…あのっ」
「ど、どうしたんですか?」
「あっ、いえ…なんでもないです」

慌てふためくセナに、たしぎは不思議そうに首を傾げた
その純粋な眼差しに何も言えなくなってしまう
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