• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第19章 お前を許さない



「…泣いてんのか」

頰に添えた手に、生暖かい温度が広がった
返事もなく、どうしても俯いたままのセナに痺れを切らして無理やり顔を上げさせる

「や、だ…」

抵抗などあってないようなものだった。けれど視線が合わないように、震える瞼はキツく閉じられている

「目ェ開けろ」

怒ってはいない、けれどワザと怒気を含めたようにキツく命令した
そうすれば怯えたように、ゆっくりと開く濡れた瞳と目が合う

ローは涙で歪に映り込んだ自分自身を見つめながら、瞳に吸い込まれるように顔を寄せた
そして強く噛み締められた唇に口付けを落とす

「どれだけ苦しめられようが、傷付けられようが」
「?!」
「悪い。それでもお前を手離してやれねェ…」

触れるだけだった口付けから、噛み付くように唇を重ねた
突然のことにやんわりと開いた隙間から舌を捻じ込み、逃げようとする舌を絡めとる

「ん、ふ…ッ」

頰に添えた手を顎に移動させ、逃げられないように固定した
クチュリと飲み込みきれない唾液をかき混ぜて唇を離せば、透明な糸が2人を繋ぐ

「なん、で…ロー…」
「どうせまたマイナスに考えてたんだろ。人の話は最後まで聞けといつも言ってるだろうが」

顎に添えられた手が、唾液に濡れ光る唇を拭った
そうして濡れた指を、ローは見せつけるように舐めてみせる

「何して…ッ」
「やっと泣き止んだな」
「もうとっくに泣いてません!」

顔を真っ赤にして、セナが噛みつくように怒るとローはフッと笑みをこぼした
腰を抱き寄せて耳元に唇を寄せる

「セナ」
「ン、」
「どこまで逃げようが、逃がさねェから覚悟しとけよ」
「別に逃げたわけじゃ…っひぁ!」

反論しようと口を開いたタイミングで、咎めるように耳たぶを甘噛みされて思わず変な声が出てしまった
その声に気を良くしたローは、抱き寄せた腰を優しく撫でつける

「ふ…ぁ…ちょ、ちょっと!」
「どうした」
「早く此処から出ないと!ローだけじゃないでしょ?!」

サカズキに報告をしていた生徒の話では、この学院に乗り込んできたのは複数名いるとのことだった
ローが助けに来たことで、その他の複数名がいつもの仲間たちであることは、もはや明白である

「チッ」
「いやその反応おかしいから」
「帰ったら覚えとけよ」
「へっ?何が?」

聞き返しても、返答はなかった
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp