生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第19章 お前を許さない
『バカな女だ。此処では逃げられるわけない』
「離して…!」
『泣くか?喚くか?どちらにしても此処へは誰も来ないぞ、なんせ我々しか知らぬ場所だ』
腕を掴んだままの男が、易々とセナの身体を宙に持ち上げて嗤う
すると周りにいた他の者たちも、口々に絶望的な言葉を浴びせてくる
『そもそも声など外には届かないほど深い場所だからな』
『大人しくしていた方が身のためかもしれん』
『いや、抵抗される方が俺は寧ろ燃えるぞ』
『変態かよ、でも確かに…抵抗されるなら何したっていいよなァ』
宙に浮いたまま抵抗出来ないセナを舐め回すように見つめ、無骨な手が次々と伸びてきた
「やだ…やっ!」
顔の近くに伸びてきた手を、思い切り噛むとその手は怯んだように一旦引っ込んだ
その刹那、反対側から伸びてきた手に頰を思い切り引っ叩かれる
「ッ」
『いい度胸じゃねェかよ、殺さねェ程度にしろと言われたもんで優しくしてやるつもりだったが、抵抗されるなら仕方ねェよなァ?』
痛みに耐えるように俯いていると、前髪を掴み上げられ無理矢理上を向かされた
下卑た笑いを浮かべた生徒が1人、小さな歯型のついた拳を構えている
バキィッ
「ぐ…ッ」
引っ叩かれたのとは逆の頰を、今度は容赦なく殴られた
殴られた拍子に切れたのか、口の中にじわじわと鉄の味が広がる
周囲の人間は薄ら笑みを浮かべて、傍観を決め込んだように壁にもたれ掛かっていた
同じように傍観していたサカズキは、やれやれと肩を竦めて嘆息すると踵を返して部屋を出て行く
程なくしてサカズキの姿が見えなくなると、宙に浮かされていたセナの身体は無機質な簡易ベッドに投げつけられる
何度か殴りつけられた顔は赤く腫れ上がり、そのせいか全身にまでぼうっと熱が広がるように力が入らず、ぐったりと倒れ込んだ
すると投げ出された腕を、白衣姿の男たちに押さえ込まれる
その内の1人が近くにあったワゴンから注射器を手に取ると、また別の1人が袖を捲り上げ腕を固定した
『採血をするだけだ。暴れると傷付くのは君だよ』
「ッ、」
血管を探るように指を辿らせ、手際よく針を当てがわれると血液が抜き取られてゆく
採血が終わり、止血をされると一度腕は解放された
地下とは思えないほどの高い天井と、煌々と照らしつける明かりをセナはただ呆然と見つめる