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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



一方的に通信を切ったあの時、確かにセナはスモーカーにそう言っていた
必死に何かを堪えて、震える唇でなるべく声まで震えてしまわないようにしながら

きっとあれは、彼女の本意ではないと分かっている
それなのに、今このタイミングでさっきの質問は…

「あれは、噂ですよ」
『えっそーなの?』
『じゃあやっぱりこの学院のスミレさんと許嫁なのは本当かーちくしょー』

だから今このタイミングで、その話をしないでほしい
屈強な壁をかき分けながら、たしぎは内心で焦っていた
このままではセナが、彼女が彼女自身を…傷付けることしかできなくなる

『セナさん…!もうこれ以上自分を傷付けないで』

一瞬かき分けた隙間から見えたセナは、穏やかな笑みを浮かべていた
しかしその瞳には、やはりあの時から光が宿っていない

「そうですよ。スミレさんという素敵な人が居るんです、…トラファルガー会長には。私なんてそもそも釣り合うわけないじゃないですか」

セナの声には、一切の感情が込もっていなかった。表情は笑みをたたえているのに、彼女を纏う雰囲気は氷のように冷たく、たしぎは胸が騒つく思いがする

最後の人垣をかき分け、ようやくセナのもとに辿り着いた
輪の中心に佇む彼女は、やはりどこか覇気なく微笑んでいる
実際には泣いていないはずなのに、やはりたしぎの目にはセナが泣いているように見えてしまうのだ

「たしぎさん?」

本当は、心の底からのセナの気持ちを聞きたい
全てでなくても、話してほしい。けれど、今はその時ではない

たしぎは俯き、ゆらりと周囲に取り囲む男子生徒たちを振り返った

「女性に、不躾な質問ばかり…もう我慢できません。このことは、きっちりスモーカーさんに報告させてもらいます!」
『『ええーっ?!そんなァ!』』
「えっ、どうしたんですか?!」

突然の宣告に皆一斉に反論しかけるが、顔を上げたたしぎの表情は怒りに満ちていて、誰もそれ以上何も言葉が出てこなくなる

そうこうしているうちに、授業の合図とともに教師が入ってきたため蜘蛛の子を散らすように全員が席に着いた

「あの、たしぎさん」
「はい」
「怒ってますか?」
「…はい」
「私のせいですよね」

ポツリポツリと、2人にしか聞こえない声音でセナが話し出す
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