• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



「ハァ、どうしろってんだ」
「取り敢えず会長が校内案内してあげるのはどうです?」
「あとは食堂や、下校まで一緒に居てやれ」
「…チッ、時間がねェのに」

ペンギンとスモーカーの提案に、ローは苦虫を噛み潰したように渋い表情を浮かべた

「おい、スミレとか言ったな」
「…ええ」
「今日から3日、お前の面倒は俺が見てやる」
「だから、代わりにあの子の情報を教えろと?」
「あァ、そうだ」

スミレは泣き腫らした瞳をゆっくりと瞬かせ、複雑そうながらも頷く

「分かりました…貴方と少しでも一緒に居られるのなら」
「交渉成立だな」
「でも私、3日の間に、貴方を落としてみせます。覚悟していてくださいね」

先ほどまで泣いていたとは思えないほどふわりと自信ありげに微笑んだスミレは、立ち上がりローの腕に腕を絡めた
その光景に、ローを含め言い出した2人も内心深々と溜息を吐いたのは言うまでもない

『この女…バカなのか?』
『どう考えても有り得ないって分かんないのかね』
『面倒くせェ生徒を押し付けてくれたもんだ』

けれど三者三様に思うことはあれど、口に出すことはしなかった

-----

海の正義国家学院は、表向きに学年こそ一般的な学校と同じく振り分けられてはいるが
生徒それぞれのレベルに合わせた学年の授業を自由に選択できるようになっている

そのため、二年生であるたしぎは過去の復習も兼ねてという名目で、暫くはセナと共に一年生の教室で過ごすことにカリキュラムが調整されていた

「ごめんなさい、たしぎさん。私と一緒だから」
「いいんですよ、気にしないで下さい!ちょうど通常授業が、苦手な分野に差し掛かるところだったので、ラッキーです」

ニコリと笑ったたしぎの笑顔につられて、セナも笑顔を浮かべる

セナの入るクラスの生徒たちは、ほとんどがたしぎを慕う後輩ばかりだったため和気あいあいと和やかな雰囲気が流れていた

しかし元々男子生徒の比率の高い、この学院はどのクラスの大半も男子生徒ばかりで構成されている
そのため、既に人気のあるたしぎと共に並んでいるとセナの周囲にまで人だかりで壁ができてしまう

『セナちゃんって呼んでもいい?』
『えー可愛い小ちゃいなー!…俺狙っちゃおうかなァ』
『バーカお前なんか相手にされねェよ!俺の方が』

「皆さん!」
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp