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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



「ど、どうかしたんですか?」
「あの…黙っててほしいんですけど、私がスモーカーさんって呼んでたこと」
「へ?」
「スモーカー先生って呼ぶようにって言われてたんですが、ついクセで…!」

慌てふためいて涙目のたしぎに、セナは思わず吹き出した
そうか、スモーカーの知り合いだったから彼女に一切の悪意を感じなかったのか

「大丈夫ですよ。スモーカー先生には言いません」
「ありがとうございます…っ!セナさんはお優しいですね」

コロコロと表情の変わるたしぎに、年上だが可愛らしさを感じてセナも微笑んだ
荒んでいた心が、ほんの少しだけ丸くなっていくような、そんな気持ち

セナにとって今はどうしても此処が居場所でしかない、その居場所を見つけられたことに内心ホッと安堵の息を吐いたのだった

「たしぎさん、ありがとう」
「えっ?私何もしてませんよ?」
「あ、えっと…交換留学とか初めてで、お友達出来るか不安だったので」

「そうですか…そうですよね!私もセナさんとお友達になれて嬉しいです!」

それから2人は長い寮までの道のりを、あれこれと他愛もない話をしながら歩いて行く
ようやく着いた寮は女子寮で、圧倒的に人数は男子生徒よりも少ないらしい

共有スペースの説明を簡単にしてもらいながら、部屋へと向かう
案内された部屋は、たしぎと2人で使ってもまだスペースが余りそうな大部屋
家具など必要最低限の物は揃っており、生徒への待遇はかなり良いようだ

プルルルルルル

先に部屋に入ったセナはどこからか聞こえてくる電伝虫の声に耳を傾けた
たしぎはアレコレとセナに必要な物品を、寮母にもらいに行ってくれている

音の発信元である電伝虫は、たしぎの勉強机の上で鳴っていた
電伝虫は通信相手の姿形を真似る習性があるのだが、今たしぎの机の上のソレは、やはり何処かで見たような姿形をしていた

なんかさっき話題にもなったような…白髪で、葉巻をくわえた、額に傷のある目つきの悪い、

「スモーカー先生?!」

ガチャ

ビックリしすぎてうっかり、通話ボタンを押してしまった

『たしぎィ!電伝虫にはさっさと出ろっていつも言ってんだろーがァ!!』

スモーカーの鬼のような怒鳴り声が部屋中に響き渡って、思わずセナも硬直した

『おい、たしぎ?』
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