生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第18章 忍び寄る陰謀
「あと、コラソンも…シャチが来る少し前に傷だらけでここへ来て」
「…コラさんは、無事か?」
「今は処置が済んで、そこで寝てるよ」
チョッパーはローの手に包帯を巻きながら、カーテンの引かれたベッドの方に視線を流した
黄猿が去り際に、少し痛め付けたという派手な化粧の大男…それはやはりコラソンだったようだ
無事だったのかと、内心酷く安心する一方怒りが再び込み上げてくる
ローの命の恩人であるコラソンを攻撃し、愛する人であるセナを連れ去った
腹立たしいのは、張本人の黄猿にだけではない
それを画策したドフラミンゴにも、それを当然のごとく受け入れて私腹を肥やす腐った国家にも
無意識に包帯を巻かれている手に力を込めれば、新たな血が滲み出し真新しい包帯を赤く染め上げる
チョッパーは難しい顔をして、ローの顔と真っ赤に染まった包帯とを見比べた
どちらかと言えば、普段常に冷静沈着であるローがここまで怒りなど感情をあらわにするときは
「なぁ、トラ男」
「なんだ」
「セナに何か、あったのか?」
彼の寵愛を受けている彼女の姿が見えないことを、不思議には思っていた
もしかしたらただローが自らを傷付けたことなど、学年の違うセナが知らないだけかもしれない
けれど、先に運ばれてきたシャチは、セナの幼馴染でありクラスメイトだ。それでも彼女は現れない
ならばやはり彼女の身に何かがあったのだろう
「セナがどうしたって?!」
チョッパーの言葉に反応して返したのは、問われたローではなく
真っ白なカーテンを開けて、無機質なベッドに身を起こした男子生徒
愛用の麦わら帽子を被りなおし、校則違反のサンダルを履けばペタペタと2人の方へ歩み寄ってくる
「ルフィ!なんでお前がここで寝てるんだよ?!病人じゃないだろ!!」
「んあー、早弁したら眠くなっちまって…寝てた」
「寝んな!勉強しろ!!」
ポリポリとシャツの中で腹をかきながら、怒り心頭のチョッパーに対し平然と答えるのは
この学園の副生徒会長でもある2年生の麦わらのルフィ
「それより、セナがどうかしたのか?」
いつもつるんでいる仲間のうちの1人であり、同じ生徒会でもあるセナはルフィもよく知っている
だからルフィが近付いても一言も発さないローに、ルフィは嫌な予感しかしなかった