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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



「オイオイ、学園長に向かってその口の利き方は「テメェのことなんざ、一度も学園長なんて思ったことねェな」

わざとらしく首を竦めたドフラミンゴを遮って、スモーカーはキッパリと言い切る
一瞬怒りに表情を歪めたドフラミンゴだったが、短くフンと鼻を鳴らし窓枠から外へ飛び降り姿を消した


「離せ…白猟屋」

ローが掴まれた手首に力を込めて振り払おうとするが、どうしてだかスモーカーが離してくれる様子はない
見た目こそ冷静なように見えるスモーカーも、実は明らかに激昂しているのが分かる

「離してやりてェが、離したらテメェ何処へ行く」
「……別に」
「そんな姿、セナが見てみろ。帰ってこなくなるぞ、あの性格だ」

ただでさえ、彼女にとっては耐え難いことばかり起きていたのだ
さらに自分のせいでローが自らを傷付けたと知ったなら、負い目に感じたセナはこの学園へ、ローの元へ戻ることを躊躇うだろう

昔から、自分のことより他人を優先してしまう彼女のことだから

「…クソッ」
「分かったなら、まずは医務室に行ってこい。話はそれからだ」
「俺に命令するな。死にてェのか」

「そんだけ憎まれ口叩けるなら、もう心配はいらねェな」

ガシガシと帽子の上から頭を押さえつけるように撫でまわし、スモーカーは1-Cの生徒たちにテキパキと指示を始める
ローは悔しそうに表情を歪めたまま、教室を後にし医務室へ向かった


「トラ男どうしたんだ?!その手!」
「トニー屋、悪いが適当に処置してくれ。急いでるんだ」
「適当にできるかあッ!取り敢えずそこ座れ!!」

医務室に入るなり、ローの手を見た保健医のチョッパーは血相を変えて飛び付いてくる
同じ医学の知識を持ちながら、無茶なことを言うローを叱責し無理やりパイプ椅子に座らせた

「誰かにやられたのか?酷い傷だ…」
「いや、自分で」
「自分で?!」

驚きのあまり消毒綿を思わず思い切り傷口に塗りつけてしまうと、流石にローの表情が痛みに歪む

「あ!ごめんな、痛かったよな!」
「大丈夫だ」
「何があったんだ?シャチは血まみれでナミ達に運ばれてくるし」
「ああ…シャチの様子は」
「急所は外れてたから、命に問題はない。けど血が結構出たんだな、輸血してるよ」
「そうか…」

経過を聞いたローは、ホッと安堵の息を漏らす
これ以上セナが傷付かなくて済む
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