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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



「ッチ…わざわざ幹部のお出ましか」
「我が校出身のキミなら、分かってるよねェ?これは、命令なんだよ」

ニィッと、男の口元が笑みに歪む
しかし至近距離で、その瞳が全然笑っていないことにスモーカーは静かに生唾を飲み込んだ

「待たせて悪かったねェ、ドフラミンゴ学園長」
「ったく、いい加減にしてくれ黄猿さんよォ。テメェらが呑気にしてやがるから…まァいい例の生徒は、アレだ」

ドフラミンゴが指で指し示すと、黄猿と呼ばれた男は首だけを動かし、サングラスの奥にセナの姿を捉えた

「まァた可愛いお嬢さんだねェ〜…」
「近寄んじゃねェ、こいつは俺のだ」

ローは黄猿の視線を邪魔するように、セナを背中に隠した
しかしその表情には明らかな、緊張が表れている

「キミはァ…確か、トラファルガー・ロー。だったねェ?この学園の、生徒会長」
「それがどうした。セナは交換留学には行かせない、帰って…ッ?!」

ものの一瞬で、ローの目の前から黄猿の姿が消えた

「きゃ…!」
「ッセナ!!」

消えたと思った男は、目にも留まらぬ速さでローの背後に回りセナを抱え上げている
その顔は無表情で、全く感情が読めない…ローは慎重に言葉を選ぶ

「キミはこの子の価値が分かってるのかねェ?トラファルガーくん」
「こいつは、何の力も持たない。アンタらが、手にしても…何の」
「まァ価値を決めるのは我々なんだがねェ…そのためにこの子には色々協力してもらおうじゃないの」

黄猿の腕の中で、身体を強張らせ小刻みに震え上がるセナは言葉も出さずに傍観するのみ
それを落ち着かせるかのように、黄猿が頭を撫でようと栗色の髪に触れた途端

「触んじゃねェ…!セナをテメェらの好きにはさせ……ッぐ」
「ロー?!」

黄猿の手を払おうとしたローの頰に、一筋の光が一瞬当たった気がした
気がしただけなのだがそれと同時に、その一筋は傷となって血を流し始める

「ロー、血が…ッ」
「今のキミじゃあ勝てないんじゃないかなァ…この子の命まで取られたくなければ、大人しくしているのが賢明だと思うけどねェ」

そう言いながら、黄猿はセナの喉元に手をかざした
その顔は、にっこりと場違いなほどの笑みを浮かべている

「じゃあこの子は貰っていくねェ?ドフラミンゴ学園長は、また後に」
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