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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第18章 忍び寄る陰謀



動かないローと、それにもたれ掛かる血まみれのシャチ
涙を流しながら、血のついた小刀を握るセナも明らかに様子がおかしい

そして何故、ここに学園長であるドフラミンゴが居るのか

「スモーカー、先生」

セナはスモーカーの姿を目にして、声を震わせ唇を戦慄かせる
その身体は不自然なくらい、微動だにしない

「シャチが、ローの代わりに…私に刺され、て」

ボロボロと涙を流しながら、セナは必死に状況を説明しようと口を開く
けれど涙に邪魔されて、その言葉は途切れ途切れにしか発せられない

スモーカーは一旦葉巻を手に取り白煙を吐き出すと、声を上げた

「ナミ!取り敢えずシャチを医務室運べ!」
「あのね、私1人で出来ると思ってんの?!」
「コビーたちを連れてけきゃいいだろうが」
「あーもー分かったわよ!あんたたち、さっさとシャチくんをチョッパーのところに運ぶわよ」

目の前で繰り広げられるやり取りの最中、セナとローはようやく自身が自由になっていることに気づく

運ばれていくシャチにセナは慌てて駆け寄った

「シャチ、死なないで…!」
「これぐらいで、死んでたまるかッつーの!だからもう泣くなよ、セナ」

力なく、少し冷えた指先でセナの流れる涙を拭うシャチ
その手を、強く握りしめたのは、ローだった

「触ってんじゃねェ…バカが。死ぬんじゃねェぞ」
「へへっ、アイアイサー!会長、セナのこと、頼んます」
「…分かってる。助かった、だからテメェも生きろ、シャチ」

もう喋るのも辛いのか、ローが離した手で、それでもなんとか親指を立てて意思を示す
シャチはそのまま、ナミたちとともに廊下へ消えていった
その後ろ姿を見送っていたスモーカーは、再び教室内を振り返ると
窓際に佇み、ニヤニヤと笑みを浮かべている男に視線を合わせた

「ドフラミンゴ…テメェの仕業か」
「何のことだ。これは愚かな生徒たちが勝手に繰り広げた、惨劇だろう?」

やれやれと肩を竦め、わざとらしく溜息を吐いて見せるドフラミンゴに、耐えきれずローが食ってかかろうとする
しかし、スモーカーがそれを制した

「白猟屋…ッ」
「ガキは自分の大事なモンだけ守ってろ。この男の相手は、俺だ」

ポンとローの背中を叩いて、一旦セナを見遣るとローに目配せをする
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