生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第18章 忍び寄る陰謀
その行動に更に不機嫌をあらわにしたローは、逃げられないように壁際へと追い詰める
流石にそこまでされれば、セナも逃げ場はない
「2人しかいないと思ってたのに、いきなりローの顔があったら…誰でもびっくりするでしょ」
「後で来ると言っておいたはずだがな」
「だって、ロー目つき悪いし…」
壁に追い詰められて、上から問い詰められるとどうしても声が力無くなってしまう
うっすらと涙さえ浮かべそうな瞳に、結局折れるしかないのはローの方だった
「…もう分かったから、泣くな」
「なっ、泣いてない!」
「ちょっと、イチャつくなら他所でやらない?アンタたち」
「い、ッ」
完全に2人きりの世界に入り込んで、置いてけぼりを食らっていたナミがローの背中を抓る
すると慌ててセナが壁際から抜け出す
「ごめんね、ナミ」
「いーのよ。悪いのはぜーんぶトラ男なんだから」
「オイ。…そういえばナミ屋、勝手に掲示物を持っていくな。俺が小言を言われンだよ」
「可愛い生徒たちの代表である会長サマなんだから、それくらい我慢しなさいよ」
「テメェは可愛くねェ…ッ!」
ちょうど言い切ったところで、ローが言葉に詰まり少しだけ俯いた
何が起きたのかとよく見てみると、ニッコリ笑顔のナミが、ローの足を思い切り踏みつけている
「ッ…とりあえず掲示物を返せ」
「あ、そうそう。これってどういう事なの?生徒会長のトラ男なら、理由を知ってるでしょ」
「あ?何の話だ」
ナミがヒラヒラと差し出した紙切れを、忌々しげに奪い取ると書かれている内容に目を通す
最後の部分まで視線が追ったところで、空いていた方の手もそっと紙切れに添えられた
「?ロ、」
その行動に不穏な空気を感じて、セナが声をかけようとした瞬間
ビリビリビリビリッ
「?!えっ、ちょっ」
「えっ、会長?!何してンすか!!」
紙切れは、一字も読めないくらい細かくなって床に舞い落ちる
確かに今、その掲示物を回収しにきた男の手によって…
突飛もないローの行動に、セナだけでなくシャチまで慌てて声を掛けるが、時すでに遅し
ナミはこうなることが分かっていたのか、やれやれと溜息を吐くだけだった
「…なんだこれは。交換留学だと、ふざけんな」
「トラ男も知らなかったのね」
ローは険しい顔で唇を固く引き結び、コクリと頷いた