生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第17章 優越感と劣等感【キッド夢】
「なァ、ルフィ。確かにサンジのメシは美味いけどよ、それで笑うようなヤツじゃねェんじゃねェのか?」
「オイ、どういう意味だ長っ鼻よォ?」
「ヒィイイイ!いやーそれはだな、そのー」
横からしゃしゃり出て来た長鼻に、ひと睨み効かせてみれば
今度はあーだうーだ言いながら、真っ青な顔をして震え上がり麦わらの後ろに縮まり込んだ
なんなんだコイツ…
「なんだー違うのか」
「いやまァ美味いとは思ってるけどな」
「!にししっ!だろー?美味いんだよ、サンジのメシは」
麦わらは仲間の腕を褒められたのが嬉しいのか、わざわざ椅子を引っ張って来て俺の隣に鎮座する
ちょうどトラファルガーとの間に割り込んでくる形で
「狭いなここ。トラ男、もう少しそっち寄れねェか?」
「いきなり割り込んできておいてなんだ、麦わら屋。我慢しろ」
「んー、じゃあソコの肉取ってくれ」
「テメェで取りやがれ!」
コント集団か、ここは
「あははっ」
隣の漫才を一部始終見守っていると、突然聞き慣れた笑い声がすぐそばで聞こえた
視線を上げれば、そこには笑みを浮かべたセナの姿
「3人とも、仲良しになって良かった!」
「「はァ?!」」
なんの脈絡もなく嬉しそうに笑ってるが、どこをどう見てそんな風に思ったのか謎すぎる
俺とトラファルガーは思わず間抜けな声を上げてしまった
「おう!もう俺たちは友達だからな!」
「「おいっ!!」」
麦わらは自慢げに笑うと俺たちの肩をガッと組み、3人顔を寄せ合う体勢になる
むさ苦しい男同士で暑苦しいし、強いていうならば友達にまでなった気はない
…まぁ多少、気は許しているがな
「っつーか、いい加減離せ麦わら…暑苦しい」
「んー?やだ」
「なんでだ!ガキかッ!」
目の前にあるマヌケ面にイラッとして、頰を掴んで思い切り引っ張る
が、コイツは全身ゴム人間…異常なほど頰肉を伸ばされながらヘラヘラ笑う
それに慌てたのはセナで、麦わらを掴んでいた手をガシッと掴まれた
「なんだよ」
「ルフィが痛いでしょ…?離してあげて」
掴まれた腕に力が込められる
この光景に首を傾げたのは、未だ頰を伸ばされたままの麦わら
「別に痛くねーぞ?」
「えっ」
「ゴムだからな!」
「そ、そうなの?」
「痛かったらこんなにヘラヘラしねェだろ、普通」
グイッと引っ張って、パッと手を離す