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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】



「うるせェ…黒足屋、一段寄越せ」
「は?何すんだよ」
「俺とセナは生徒会室で食う」

外野が騒ぎ出したことで、今度はトラファルガーが不機嫌になって、勝手なことを言い出した
すると確かセナの幼馴染2人のキャスケットを被った方の片割れが、未だセナを放そうとしないトラファルガーに耳元で何かを囁いている

「…チッ」

何を言われたのか、忌々しそうに舌打ちをするとようやく腕の力を緩め
隙間からするりとセナが抜け出す

そうしてパタパタと忙しなく、黒足の待つ自分の席へと着いた

「じゃあ、いただきましょう!」
「「いっただきまーす!」」

水色の髪の女が声を掛けると、全員が手を合わせて食事を始める
その光景を満足げに見つめた黒足がこちらへ戻ってきて自分の席に座った
続いてトラファルガーが、空いていた俺の隣に渋々と座り此方もメンバーが揃う
そしてようやく

「野郎共も食っていいぞ」
「「っしゃー!!」」

黒足の一声を合図に、男共のテーブルは戦争と化した
目の前を食いもんだ食べカスだ、箸だなんだと飛び交って避けるのに一苦労する

こんな状況で食ってる気になるのかが不思議だな

ちなみに女共のテーブルは華やかな笑い声が絶えない
こっちが地獄なら、あっちはさながら天国だろうな

休み時間まで隣同士になったトラファルガーは、もうこの状況に慣れているのか
自分の皿を引き寄せ、黙々と食うことに集中している

自由なのか何なのか、分かんねェ空間だな、オイ


『けど…居心地は悪くねェかもな』

黙々と食っていようが、取り合いに参加してようが、それを怒鳴りつけようが
こいつらは、なにを気にすることなく…ありのままで居るだけだ


優越感も劣等感も、こいつらには無関係で
そんなもんに一々揺らいでいた俺のちっぽけさに、今なら笑いが込み上げる

「…何笑ってやがんだ、コイツ」

斜め前に座っていた、麦わらンところの緑頭が箸を止めて此方を不審そうに睨んできた
すると一斉にこちらを向く、周囲のいくつもの視線

「なんだよ」

思わず笑いが顔に出てたらしい。咄嗟に表情を引き締めたけど時すでに遅し
すると麦わらが馴れ馴れしく肩を組んできた

「うめーだろ!サンジのメシ!」
「…は?」
「なんだよ、サンジのメシがうめーから笑ってたんじゃねーのか?」
「いや違ェし」
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