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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】


「…トラファルガーならさっさと出てったぜ」
「ローには先に行ってもらってるよ?私はキッドを迎えにきたの!」
「だから行かねェつってんだろ…」

セナは自分のことにはすんなりと諦めが早い割に、他人のことになるとやけに頑固だ
けれどこうして、わざわざ俺を迎えに来るとか…嬉しくなっちまうだろーが

「なにニヤニヤしてるの」
「うるせェ。お前のせいだっつーの」
「?私?なんで…」

相変わらず自分のやっていることに無自覚で、責任感のない女だ
恋人であるトラファルガーより、親友である俺を優先した?
ふざけんなよ、だから俺は諦め切れねェんだよ

「今度は、なぁに難しい顔してるの」

そんなことを考えて、勝手に心の中でフツフツと怒りを爆発させていたら、思わず難しい顔になってたらしい
皺が刻まれていたであろう眉間を突かれた

「ほら、行こ?みんな待ってる」
「あいつらが待ってるのはお前だけだろ」
「またそんな…ほら、立って立って!」

だらりと投げ出していた腕を掴んで、どうにか立たせようと必死になっているが勿論ピクリとも動くはずがない

「キッドー!」
「だぁーっうるせェな!わぁったよ、行けばいいんだろ」

ガタリと音を立てて、椅子から立ち上がると満足そうに笑ったセナが此方を見上げていて気持ち悪ィ

「なんだよ」
「本当に素直じゃないなぁ」

なんでそんなに嬉しそうなんだか
お前が心から好きなのは、トラファルガーだろうが
何故そんなに、俺に優しくする?

「よーっし、じゃあいざ私の教室へ!」

ニコニコと楽しげに笑いながら俺の手を引く横顔を見つめて、俺は諦めたように嘆息した

そして悔しいが、トラファルガーの気持ちが今なら分かる気がしてしまう
散々ヤツを"器の小せェ男"だとからかってはきたものの、同じような目線と立場に立たされりゃヤキモキするのも納得できる
それは、自分の側になるべく縛り付けて置きたくなるだろう

セナに悪気がないのは百も承知だが、だからこそタチが悪ィ


「みんなーお待たせ!」
「「ホントに来たーーーッ!」」

滅多に来ない1年の教室に入るなり、虫酸の走るような歓迎をされて眉がつり上がる
声の主は今からつるもうとしていた連中、麦わらの取り巻きと、セナの幼馴染2人組

「…帰る」
「ちょ、キッド!もー、みんなからかわないで!」
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