生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第17章 優越感と劣等感【キッド夢】
「「げッ」」
2限目の担当である赤髪のシャンクスが、前の席のやつの椅子に手をついて、仁王立ちしていた
声とは裏腹に、その表情は穏やかに笑っているように見えるが明らかに目が笑ってねェ
「生徒会長でも聞き捨てならねェなァ…?トラファルガー」
「いや、これは…」
「ユースタス…自ら風紀を乱してどうする、お前風紀委員長だろ?」
「授業のこと言ったんじゃねェんだっつーの!」
さすがに学年主任であり、この学園でも指折りの地位にいる教師に睨み利かされりゃ俺らもたまったモンじゃねェな…
すると突然ニンマリ笑った赤髪が、ブフーッと噴き出した
「だーっはっはっは!マジで焦っちゃって、かわいーなァお前ら」
「「…ッッ!」」
「ヒーッヒーッ、今の顔セナにも見せてやりてー!写メっときゃ良かったなー」
散々笑い倒したあとまだ腹を抱えて笑いながら、教卓に戻っていく後ろ姿
俺もトラファルガーも、どっと嫌な汗をかいて呆然とした
ってか…本気で殺意湧いたぜ、あのオッサン…!
「アイツがこの学園の四皇じゃなけりゃ…確実に殺るんだがな」
隣からえらく物騒な呟きが聞こえたが、まァ俺も同感だけどな
学園長を除いて、この学園を実質統べているのは四皇と呼ばれる4人の教師
その中でも赤髪のシャンクスは、生徒思いで人懐っこく、何かと人気の地位にもいる
確か麦わらの知り合いで、その繋がりでセナのことをえらく気に入ったようだ
トラファルガーや俺の前で、妙にセナに馴れ馴れしいのは気のせいじゃねェはず
ありゃァ、俺らをからかってんな
ったくどいつもこいつも…セナを気に入りやがって
厄介なやつらばっかりに気に入られるセナは天性なのか魔性なのか
『ああ…早く日曜日にならねェかな…』
そんなセナの不思議な魅力にまんまと魅せられた俺も、気分は初デート前の男子中学生のようだ
そのまま、そわそわしながら気付けば授業は終わっていた…
***
「キッドー」
廊下から聞き慣れた声に呼ばれて、返事をしようとしたら
「あ?な「おーセナじゃねェか!今日も小せェなァ!」
「シャンクス先生!小さいは余計ですよ!気にしてるんですから言わないでください」
「怒るなって!小さくて可愛いじゃねェか」
赤髪がわしゃわしゃと栗色の頭を撫でくり回してやがる