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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】


「気に入った。俺の女にならねェか、セナ」
「は…ッ?!」

何言ってんだあのオッサン
クロコダイルの一歩後ろで2人の会話を聞いていたら、とんでもないコトを言い出したのに思わずあんぐりしちまった

いつもなら地獄耳のトラファルガーが、顔を出すところだが
さっき校内放送で呼び出されてたから、流石に姿を現さねェ

「テメェ…!何言ってんだ?!」
「なんだ、居たのか」

クロコダイルはわざとらしくこちらに視線を下げたが、絶対こいつ俺が居たの分かってて言ってんな
仕方ねェ、ここは俺がセナを守るしかねェだろ

「ほう…親友のために、ナイト気取りか?ユースタス」
「当たり前だろ、」
「クハハッ!トラファルガーもいい親友を持ったものだ」

「…何言ってんだアンタ」

セナとクロコダイルの間で、独特の笑い声に続く言葉を聞いて思わず突っ込んだ
誰と、誰が親友だと…?

「勘違いしてるみてェだが、俺の親友はセナだ」
「…なんの冗談だ」

クロコダイルは信じられないモノを見るように、少しだけ瞳が見開かれた
合わせて教室の奴らも廊下の奴らも、一瞬息を飲んだ気配がする

「ほ、ホントです!キッドと私、親友です!」

俺の後ろから顔を出したセナが、小さく手を挙げて声を上げた
廊下や教室の所々がざわつき始め、たまに悲鳴が聞こえるが知ったこっちゃねェ
対峙していたクロコダイルはというと、セナの言葉にようやく納得したように…けれどどこか複雑な顔をしていた

「セナ」
「はいっ」
「脅迫は犯罪だ。いつでも相談するように」
「な…ッ!」
「クハハハッ!そろそろ失礼するとするか」

ゴツいコートを翻し、革靴を鳴らしながら廊下の奥へと消えてゆく
入れ違うように、呼び出しを食らっていたトラファルガーが戻ってきた

未だざわつき、やかましい廊下と教室の様子を目に留め
廊下の真ん中に突っ立ってる俺に視線を投げかける

「なんだ、騒がしいな」
「盗み聞きした奴らが、勝手に騒いでんだよ」
「盗み聞き?」

なんのことだと、首を傾げたトラファルガーに説明するのが面倒で身体を少しだけ横によければ
俺にすっぽり隠れていたセナの姿が現れた

まさか三年の廊下に居るとは思わなかったのか、ほんの少しだけ驚いた表情を見せる

「何故セナが居る」
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