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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】


すると小さくヒィヒィ言いながら、トラファルガーが堪らず笑いを漏らして腹を抱えている

「テメェ…マジで一回殺してやろうか」

苛立ちを隠す事なく、目を細めて低く呟くと
ニィッと笑いながら肩を竦めて、余裕ありげに涙を拭って口を開いた

「その前にバラしてやるから安心しろ」
「そんなヘマするかよ」
「あぁ、俺が手を下す前に…毒殺か」

トラファルガーがツイ、と目線を上げたので同じように視線を向けると
ただでさえ凶悪なツラが、その顔の傷と相まってより凶悪に…その表情を歪ませている大男と目が合う

「よほど死に急ぐようだなァ…?ユースタス・キッド」
「急いでねェよッ!」
「ほお…担任に口答えするたァいい度胸じゃねェか…覚悟はできて」

キーンコーンカーンコーン

「ッチ…命拾いしたな」
「おいおい、マジだったのかよ」

クロコダイルが構えていた鉤爪を下ろすと、開いていた教科書をパタリと閉じる
日直に号令をかけさせると、颯爽と身を翻して教室を出ていこうとして

「っぶッ」
「ん?」

ってありゃァセナじゃねェか

よろめきながらクロコダイルと距離をとって、謝るために顔を上げれば相手のイカツさに顔が引きつってやがる

「す、すみません…ちょっと、急いでて」

少し鼻を赤くして、涙目のセナは小動物みたいだな…なんて思ってたら
えらくゆっくりした動作で、クロコダイルが右手を翳すのに気付く

『ぶつかったくれェで、殴る気か?!』

飛ぶように机から身を起こし、クラスメイトをかき分けて教室の出入り口に辿り着くと

ぽすぽす

「え、えっと…」

何故だかセナの頭を撫でているクロコダイル
セナが戸惑うのも無理は無いだろうな

「入学早々、生徒会長に気に入られたお姫様だったか」
「その話もう忘れてください…」
「クハハハハ!下手すりゃァ後生学園で語り継がれるかもなァ」

愉快そうに笑い声を上げるクロコダイルの手を頭に乗せたまま、セナは複雑な顔して睨みつけてやがる
相変わらず怖いもの知らずか…お前は

普通2m半超えの強面に相手にされりゃ、泣くとか逃げるとかするんじゃねェのか?


笑みを浮かべたまま、グリグリと撫でられギャーギャーと喚く声が廊下に響く

「なるほど…確かにこの女、興味深い」

クロコダイルがえらく前屈みになって視線を合わせる
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