• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】


「ああ、足労を掛けて申し訳なかったな。まだ一限には間に合うだろう」
「では、失礼します」

ピシリと姿勢良く頭を下げて、教室を出て行く後ろ姿をただ見送る
隣で呆然としているトラファルガーも同じようだ

しかし、"ちゃんと反省"って

「どうやって証明すんだ?」

思ったまま口を開けば、隣から恨めしそうな声がした

「…テメェのせいで俺までとばっちりじゃねェか」
「オイオイ、俺だけのせいかよ。元はといえばテメェが」

「セナはまだこの階にいると思うのだが、それでも続けるか?」

セナが居なくなると、再びヒートアップしかけたところでホーキンスが口を挟んできやがる
それはヤツにしては珍しく脅しのような、有無を言わさぬ言葉だった
多分、表情に出ないだけで…かなりキレてんだろうなァ

仕方なくこの時は、このまま決着つかずとなって短いHRが始まった



***

くあり、一つ欠伸が漏れる

どうやら今日は伝達事項が多かったらしく、一限のギリギリまでHRが行われ
そのまま担任と入れ替わるように、授業が始まった

机にべたりと伏せってしまうと、心地よい春の気候に睡魔が襲ってくる
ウトウトしていると、何かが頰を叩いた

「んあ…んだよ、人が気持ち良く寝て…「そんなに寝てェなら、永遠に眠らせてやろうか」

明らかな苛立ちを含んだ地を這うような声に、パチリと目を覚ます
横目で頰を見遣ると、当てられていたのはギラリと鈍く光る鉤爪だった

鉤爪を辿って、目線を持ち主に向ければ…歴史担当のクロコダイルがニヒルに極悪な笑みを浮かべて此方を見下ろしている

「俺の鉤爪はサソリの毒仕込みだが…さァどうする。選ばせてやろう」
「…や、流石になんかスンマセン」

ペシペシと緩く頰を叩かれて、顔が引き攣った
ンなこと聞かされてまで、頷けるワケがねェだろうが

「クククッ」

どこからか必死に喉奥で堪えたような笑い声が聞こえた
人のこんな状況を見て、声を押し殺しながらも笑えるヤツなんざ…
未だ鉤爪を押し当てられているのとは、逆方向に視線を向けた

案の定此方を盗み見ながら、口元を覆い肩を震わせてやがるトラファルガーと目が合った

「次に俺の授業で眠りたくなったら、有無を言わさず眠らせてやるから安心するといい…クハハハッ」

鉤爪が離れ、クロコダイルは高らかに笑いながら教卓へと戻っていく
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp