生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第17章 優越感と劣等感【キッド夢】
この教師はきっと、あの日の出来事をトラファルガーから聞いていたんだろう
それでいて、俺とセナが親友になったことは聞いてねェ…そこまで言っちまうと認めたことになるからな。トラファルガーとしては癪なわけか
いやどんだけ器が小せェんだ、あの男…いつも人を見下したような態度で余裕ぶってやがるくせに
まァ多分セナに関わることだけなんだろうが
キーンコーンカーンコーン
「げっ、これ本鈴じゃねェか?!」
「うそっ!コラソン先生ごめんなさい、書類置いておきますね!」
「ああ、引き止めて悪かった!」
バタバタと慌ただしく資料室を出て、廊下を小走りで急ぐ
「お昼、来る?」
「あ?行かねェし」
「サンジさんのお弁当美味しいよ?」
「メシが美味いか、美味くねェかの問題じゃねェんだよ」
そもそも俺は、セナがつるむ連中とあまり関わりもない
寧ろどちらかと言えば苦手な方だ。麦わらといい、仲間仲間としょっちゅう顔を突きあわせるのは性に合わねェ
すると隣を走っていたセナが、あからさまにしょんぼりと落ち込んだ
「そっか…」
いや、なんでそんなに俺を呼び出したいんだよ
「キッドとお昼食べたことないし…それにいつも1人でしょ?」
「俺は誰かとつるむのが面倒なだけだ」
「面倒って…私とも?」
面倒だったら、こうやって話してねェだろォが。バカなのか?
女ってのはなんで一々言葉を求めやがる
そんな事は思っても言わねェけどな…
言わない代わりに、デコピンを一発お見舞いしてやった
いきなりのことに目をぱちくりさせて、首を傾げてるセナ。分かってねェな、これ
「バァカ」
「む…面倒じゃ、ない?」
「ンなもん、お前が一番分かってんじゃねェのか。俺の親友なんだろ?」
フンと鼻を鳴らして、笑みを浮かべて見下ろす
額をさすりながら、上げられた顔は笑顔を浮かべていたので安心した
「ふふ、そうだね。ごめん」
「分かりゃァいい」
階段のところで分かれ、それぞれ教室のあるクラス階へと足を向ける
教室に入れば、担任はまだ来てねェ。相変わらずマイペースなヤツだ
席に着くと、いやに視線を感じる
大体の予測はつく。隣の席に座るトラファルガーだろう
振り返ることなく視線をだけを動かしてみると、バッチリ目が合った
よっぽどさっきの根に持ってんなァ
「なんだよ」