生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第17章 優越感と劣等感【キッド夢】
「何してんだ、こんな所で」
「何って、書類運んでるだけだけど…奥の化学資料室にね」
「んなもんあの取り巻き共にやらせりゃいいだろ」
「取り巻き?ってシャチとペンギンのこと?あの2人取り巻きじゃなくて幼馴染…「セナ、何してる」
ようやくセナに気付いたらしいトラファルガーが横やり入れて来やがった
こちらに近付いてくる姿に、未だ居座ってた取り巻きの女どもが黄色い声援を上げる
気の多い奴らだな、呆れるぜ
まぁヤツはそんなお前らには目もくれちゃァいねェけどな、ほれセナに一直線だ
結局蚊帳の外にされた俺はふと、女が持っていたチラシに改めて目をやると大きく記された日時が目についた
「あっそうだ!キッド君!結局コレ、参加するの?参加するなら私たちと…」
「俺が参加するワケねェだろォが…大体、…あ」
人に面倒事押し付けといて、楽しそうにセナと話してやがるトラファルガーの横顔を見て思い出したことがある
我ながら浮かんだ名案に、ニヤリと口元に笑みを浮かべてしまった
「参加してくれる気になったの?!」
「あァ参加してやるよ。ただ、テメェらとじゃねェ」
手を伸ばして細い腕を引き寄せると、バランスを崩した書類の山が崩れて廊下に舞い散る
「俺が一緒に参加するのは、コイツとだ」
「キーーッ!!ロー君だけじゃ飽き足らず、キッド君まで奪っていく気?!」
「へっ、参加するって、なにに?えっ?」
肩を抱き寄せたセナに、頰を寄せてニヤリと笑うと女どもが悲鳴を上げた
さらには話が読めないセナは俺の顔と女どもを交互に見やって首を傾げている
「どういうつもりだ、ユースタス屋」
「お忙しい生徒会長サマは、この日曜は確か学園長に予算報告会があったよなァ?」
「…ああ、だから会計のセナも参加は必須だ「各役員1人居りゃァ充分だろうよ。ってことで、セナのことは任せとけ」
トラファルガーの野郎に、揺るぎない事実を告げてやると苦虫を噛み潰したような顔で睨んでくるが怖くも何ともない
「あの、私は何に参加させられるのでしょう」
「ああ、スイーツラリーだな。お前甘いの好き「スイーツラリー?!何その素敵な響き!参加するする!」
得体の知れない話に怯えていたセナだったが、内容を知った途端、大きな瞳を輝かせて大きく頷く