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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第17章 優越感と劣等感【キッド夢】


またこの想像力が厄介で、予想が合っていた試しがねェ
のに、何故かこんなときだけやけに自信満々で…頑固になりやがる

ありとあらゆる方面から、自分の予想を正当化させようとしてくるから面倒だ
流石にこの性格ばかりは、俺より度々直面してるであろうトラファルガーに同情をせざるを得なかった

あと無意識に人を誘ってるのに気付いてねェのも…
人の好意は100%受け入れ、返そうとする性格なのは分かっている
そんな中で、トラファルガーが一番なのも分かっている

だが、そんなことを言えばセナは絶対言うことも、分かってしまう

『キッドは親友で一番だよ?』

本人は大して深い意味で言ってねェんだろうが、未だに未練タラタラな俺にはかなり刺さる言葉だ

「分かってねェんだよなァ」

ガシガシと頭をかいて、残りの役割を後輩に任せ校舎へと向かう
教室に戻ろうと廊下を歩いていると、トラファルガーの野郎がクラスの女どもに囲まれていた
あの野郎生徒会長やってるときは、やけに対人受けする態度を被ってやがるからな

俺には絶対できねェことだから感服はするが、セナを泣かせる要素を作るのは許せねェ
例え100%その気がなくても、セナが見たらいい気はしねェだろ

一度泣かせた俺が言えるセリフじゃねェけどよ

すると俺の存在に気付いたトラファルガーが、何やらこちらを指差し女どもに話している
暫くするとトラファルガーを取り囲んでいた全員がが、一斉に俺の方へ向かってきた

「…なんだよ」
「キッド君も、参加するんでしょ?」
「参加ァ?なんのことだ」

話が読めねェことに首を傾げると、先頭のリーダー格っぽいケバい女が一枚の紙切れを見せてきた
目に痛い派手派手しいピンク色で彩られたチラシらしきソレには"スイーツラリー"の文字

「誰が、コレに参加するって?」
「え、キッド君甘い物好きだから参加するはずだってロー君が、」

女の口をついて出た名前に、事の元凶が居た場所を見やると
こちらを見て笑いを堪えてやがる…クソが!

文句を言いに行ってやろうと思い、立ちはだかる女どもを避けようと視線を下げると
見慣れた栗色の頭が視界を横切る

「おい」

呼び掛けると通り過ぎようとしていた足が止まり、くるりとこちらを振り向いた

「ん?あれキッド。どうしたの?」

書類の山を抱えたセナだった
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