生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第16章 初めての…(*)
「フッフッフッ…ローの分際で、気に入らねェなァ…」
チッと舌打ちをしたドフラミンゴが、2人を見上げて意味深に笑う
隣で見ていたコラソンは、一瞬眉を顰めて目を細め何かを言いかけようと口を開く
「そんな顔するな、ロシー。ただの戯言だ」
「あの2人に何かしてみろ…ただじゃ済まねェからな」
「そんなにあのガキ共が大事か」
「当たり前だろう!」
せっかくの祝福ムードに、いい歳をした兄弟喧嘩が勃発する
「ちょっ!何事ッスか?!」
誘いをかけたシャチが慌てふためく
そもそも声を掛けたのは、コラソンだけなのだが
何処からか聞きつけたドフラミンゴまで、連れてくることなってしまった
どうにか喧嘩がヒートアップしないようにしたいものだが、誰にも止められる気がしない
声までは聞こえないが、セナとローも目下の様子が険悪なのは感じとっていた
ザッ
「テメェら、いい加減にしろよ」
「生徒の模範であるべき2人が、喧嘩とはいただけない」
2人の間に割って入ったのは、シャンクスとレイリー
覇気を纏いながら、有無を言わさぬように睨み上げる
当のドンキホーテ兄弟にはなんて事ない程度の覇気だが、周囲の生徒たちには多少のダメージがかかる
ビリビリと全身に負荷がかかり、気を抜けば倒れてしまいそうだ
「ッチ…厄介な奴らが来てたもんだな」
ドフラミンゴは忌々しげに言葉を吐き出せば、くるりと踵を返して歩き始める
それを慌ててコラソンが引き止めた
「おい、ドフィ…どこに!」
「学園に帰るだけだ。テメェも来い、ロシー」
一瞬足を止めて、チラリと背後を振り返る
その様子にコラソンは溜息を吐き、ガシガシと頭をかいた
いい歳をした大男が2人肩を並べて学園へ向かう
「クッ」
「?どうしたんだよ…」
「いやァ…なんでもねェよ」
ドフラミンゴはふと天を仰ぎ、澄み切った青空を見つめた
サングラス越しの青空は、ひどく淀み切った曇天のよう
まるでこれから波乱を呼び起こす前触れのような…
「もう、誰にも止められねェ」
隣に並ぶコラソンにも聞こえないように、ボソリと吐き出した言葉は風に乗って消えてゆく
***
制服に着替えたセナとローが玄関を出ると、待ち構えていたように次から次へとプレゼントが手渡された
大なり小なりの箱や袋がセナの腕の中でどんどん山積みになってゆく