生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第16章 初めての…(*)
いくら特殊な能力の下に行われたオペとはいえ、まったく気付かないことなどあるのか
「ああ、今年のオペは終わりだ」
「いつの間に…何も気付かなかった」
「ただ眠ってただけじゃねェからな」
体力の消耗に加え、全身で快楽を感じ取っていたセナは完全に意識を飛ばしていたのだ
あえてそうさせたのは、ローなのだけど
流石に必要なオペとはいえ、年頃のセナの気持ちを考えると意識のないうちに済ませるのが良いと思い至った
「そっか終わったんだ…ありがとうね」
「いや…まだ始まったばかりだ」
「…うん、」
「心配するな。
お前は、俺が必ず助ける」
顎に手を添えて、目線を合わすように顔を上げさせれば
額を合わせて鼻先に口付ける
「…ありがとう、ロー」
花が綻ぶようにふわりと笑みを浮かべるセナに、ローも薄い微笑を返す
ピロリン♪
場違いな機械音が鳴り、枕元に置いていたスマホを手に取る
メッセージが一通入ったようだ
「?ペンギンからだ」
聞き慣れた後輩の名に、ローも小さな画面を覗き込む
"窓の外見ろ"
ガラス越しに外の様子を伺うと、目の前に広がった光景に慌ててローの腕の中から抜け出す
その様子をローは静かに見守っていた
そしてセナが勢いよくガラス戸を開けたと同時
「「ハッピーバースデー!セナ!!」」
道の半分にずらりと並んでいるのは、いつものメンバーだけじゃない。セナの親友のキッドを筆頭にチョッパーにベポ、スモーカーにルフィの兄2人や
シャンクス、レイリー、コラソンに何故か学園長であるドフラミンゴまで
今までセナに関わった全ての人たちが、そこには集結していた
「どうして…みんな?」
「どーだ!今年は驚いたろー!」
「シャチ!」
一番窓からよく見える位置で、ピースサインをしたシャチとペンギンが肩を組んでニコニコ笑っている
どうやら毎年行われる誕生日のサプライズ、今年は知り合いの全員で祝福をしてくれることだったらしい
「サプライズ成功か?」
「初めてね…!」
「「それ言うなっ!」」
嬉しそうに、幸せそうに笑っているセナの背後からローが顔を出す
泊まっていたことを知らない全員が目を見開き固まった
「なんで、トラファルガーが此処に居んだよ…」
キッドが少し忌々しげに呟いた