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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第16章 初めての…(*)


吐息が触れるくらいの距離で、ようやく状況を理解してきた
静かな部屋に、お互いの鼓動が響く

「お前…動悸激しすぎ」
「動悸って…!ローだって、一緒でしょ」
「そんなの、当たり前だろ」
「へ?」

「好きな女と繋がってて、興奮しないわけがねェだろうが」
「ッ…!」
「く、っ…いきなり締めんな、」
「だっ、だって…」

この状況で愛する人に、真剣な声音と表情でそんなことを言われたら身体が反応してしまうのも無理はない
しかしローとしては特に意識して言ったわけではないのは分かっている

『天然タラシめ…!』

真っ赤になった顔で睨みつけると、不思議そうな顔で見下ろしてきた。本当に分かっていないらしい
過去に一夜を共にした女たちも…この無意識の口説き文句に落とされていったのだろうか

「何泣きそうな顔してやがる」
「別に、」
「別にって顔じゃねェだろ。言え」
「わわわ、ちょ、っ」

ロー自身がいい加減我慢できずにいたのと、何故か急にふて腐れたセナの態度にムッとして腰をゆるゆると動かし始めた
いきなりのことに、ローの首にギュウッとしがみ付き耳元で甘い声を漏らす

「何を1人で考えてた」
「なにも、な…ぁっ、ンン」
「言わねェなら、このままイかせてやらねェからな」
「いっ意地悪、アッ、んぅ」

本当に宣言通り、セナが言うまでイかせる気がないらしく一向に腰の動きは単調なまま
それでも、一度快楽にふやかされた脳みそは緩い刺激に再び浮かされ始める

「は、ァッ…ん」
「言う気になったか?」
「…私以外にもッ、いっぱい口説いてきたんでしょ…」
「は?」

密着していた身体を少しだけ離し、顔を覗き込めば一筋二筋と上気した頬に涙が流れ落ちていた

「どういう意味だ」
「私じゃなくても、ンッ…興奮、するんでしょ?」

イイところに当たったのか、一瞬息を詰めて眉間に皺が刻まれる
熱の籠った吐息に混じって吐き出された言葉に、ローはようやくセナの言いたいことを理解した

「前々から言ってるが」
「やっ、?!ろぉっ、ンッ」
「過去の女にいちいち嫉妬してんじゃねェ」
「ふぁ、ァッ、だっ…てぇ」
「俺だけを見ていればいいんだよ、お前は」

深く埋め込んだまま、腰を揺らし突き上げればひっきりなしに甘い声だけが耳元で紡がれる
そんな唇を、声をすべてを奪うように塞ぐと舌を絡ませた
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