生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第16章 初めての…(*)
覆いかぶさるように、上体をかがめて耳元に寄せられた唇からは熱い吐息が漏れている
それだけでセナはぶるりと身を震わせた
「ぁっ、」
「お前は残念かもしれねェが、今回は」
「?」
「セナのナカでイきてェ」
「っ…ば、かぁ」
甘えた声で吐き出した言葉に対して、耳元でフッと笑った気配を感じる
その空気がこそばゆくて身をよじった
すると顔を固定されて、口づけが降ってくる
啄むだけの、優しいキスの雨
それだけでは段々と物足りなくなって、目の前の首に腕を回す
顔が離れたタイミングで、ローが舌をちらりと覗かせた
その行動に誘われるように、顔を寄せ舌を食む
「は、っ…ンちゅ」
慣れない動きで必死に舌を絡ませ、ローがいつもそうするように歯列をなぞった
結果思惑通りに積極的なセナの姿に、焦らしていたはずのローが焦らされることになってしまう
深く求めるように、角度を変えて更に唇を重ね合わせる
上顎や頰、歯列までくまなく舌を這わせてゆく
角度を変えるタイミングで漏れる吐息がより一層熱くなったのが分かった
「えらく、積極的だな」
「はぁ…ッ、だって…」
「だって、なんだ?」
「…もっと触ってほし、い」
鼻が付くほどの至近距離で、熱い吐息と共に吐き出された懇願に一瞬思考が止まった。ほんの一瞬だけだ
からかうつもりで、意地悪に問うたのだが…こうも素直に返されると
「悪くねェな」
「なにが?」
「こっちの話だ」
起こされていた上体を再び押し倒し、首筋に顔を埋める
唇を添わせては強く吸い付き、所有の印を残してゆく
吸い付くたびに、腕の中の身体がピクピクと初心な反応を返した
ようやくシャツの裾から腕を差し込まれると、期待に鼓動が速くなるのが恥ずかしくてセナは目を瞑りシーツを握りしめる
しかしいつまで経っても、待っている刺激がやってこない…不思議に思って声を掛けようと口を開きかける
「ッひぁ?!」
と唇の力を緩めた拍子に、長い指が胸の突起を捉えて擦り上げた
意識していないところで、発することになった声は抑える術を知らず静かな部屋に響き渡ってしまう
突然のことに手で口を覆うが、時既に遅し
ローの纏っている空気が、微かに震えて笑っているのが伝わってきた
しかしセナは笑えない。だって今この部屋の下には自分の両親が寝ているのだから