生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第16章 初めての…(*)
優しく髪を撫で付けると、名残惜しげに頭が離れてゆく
セナの唇からは唾液とローの先走りが混ざり合った銀色の糸が紡がれていた
顔を上げたセナは悲しげに大きな瞳を揺らして、眉を下げている
「ダメだった?」
それなりに得た知識を総動員させたが、やはりシミュレーションとは違い上手くいかなかった点は多々ある
現にロー自身は天を仰ぎ立ってはいるが、達してはいない
「バカ、その逆だ」
「へ?」
「危なかったんだよ」
長い脚の間から見上げるローは、悩ましげに眉間に皺を寄せてはいるがなんとも色気のある表情をしていてセナは思わず見惚れてしまう
しかし危なかったとは、何のことを指しているのだろうか
危険なことなど、調べた知識のどこにも書いていなかった
「あの、」
「?かしこまってどうした」
床に正座した姿勢になって、恐る恐る口を開く
「私、危ないこと…した?」
「?別に何もしてねェだろ」
「え?だってさっき危なかったって…」
イマイチ会話が噛み合わない
何も危ないことをしていないと認識されているのなら、何が危なかったのか
ますます分からなくなる
「…あぁ、」
「?」
「さっきのは、そういう意味じゃねェ」
不思議そうに呆けている表情のセナを見て、ローはやり取りを思い返した
考えを巡らせば、噛み合わなかった原因に1人合点がいく
「えっ、と…それってどういう…?」
「危うくイきそうだったってことだ」
「!!」
「だから逆だって言っただろうが」
やり取りの中ですぐさま否定していたというのに、聞いていなかったのだろうか
相変わらず彼女の思考と意識は、こっちの斜め上をいっている
「そっか…えへへ」
「何笑ってやがる」
「ローがちゃんと気持ちよくなってくれて、嬉しいなぁって」
さも嬉しそうにはにかむ笑みを堪えるセナに、こちらが気恥ずかしくなってしまう
しかしそんなことでいちいち嬉しがっている彼女が、可愛くて仕方なく愛おしさが溢れてきている
まぁ自分ばかり惚れているようで悔しいので言ってはやらないのだが…
「でも…イってくれて良かったのに」
「物好きか、お前は」
「へ?そういうもんじゃないの?」
「…まぁそれは次の機会な。ほら、こっちこい」
腕を引いて立たせてやると、隣に座らせてすぐさま押し倒す
「待っ」
「待てねェ」