生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第16章 初めての…(*)
「忘れさせてやるよ」
「え、ッ…?!」
後頭部に添えられていた手を肩に回され、横抱きにされるとベッドに運ばれる
「ちょちょちょ、ちょっと!状況分かってる?!」
「あ?他の野郎のコトなんざ忘れてェんだろ。忘れさせて、俺で満たしてやる。安心し『2人ともー夕飯出来たわよー??』
ベッドに降ろされたセナにローが覆い被さろうと、片足をかけたところで呑気な声が階段の下から聞こえた
「ッ〜〜〜」
「状況分かった?」
「…チッ」
此処はセナの一家が住む家で、当然下の階にはセナの両親が居る
自室は二階の一番奥とはいえ、鍵のない扉がいつ開くか分かったものじゃない
渋々という感じで、ローはかけていた片足を床に降ろした
「ロー」
「?」
「あとで、その」
「なんだ」
上半身を起こすと2人きりの部屋で、秘密の内緒話
「ローでいっぱいに、してね?」
「だからお前は」
するりとローの首に腕を回して、引き寄せた耳元で吐息を含んだ言葉を囁く
その色香に、ここが何処で今がどんな状況なのかを忘れ去り再びベッドに押し倒そうとしてしまうのをどうにか堪えた
「え?」
「自覚がねェなら…いい」
「?変なロー」
するりと腕をほどき、立ち上がるセナを少し恨めしげに見つつローも立ち上がる
部屋を出て、一階のダイニングに顔を出せばセナの父親も揃っていた
「やぁこんばんはローくん、さぁ隣にどうぞ」
「やだお父さん!ローくんはセナの隣に決まってるでしょ!ね、ローくん?」
「2人とも何かとローに構いたがるのやめて…恥ずかしいから」
「こんばんは、お邪魔してます。こちらで失礼します」
和気あいあい(?)としながら、4人で食卓を囲むと食事が始まる
食事開始早々両親があれやこれやと学校の話や、2人の出会いについて聞いてきた
ローは至って寡黙に食事を進めていたため、セナが1人インタビューのように会話の受け答えをする
そして会話の流れで、今日あったこと話すようになったのだが
さすがに学園の内情を話したところで、両親に通じるわけもない
何を話そうかとセナが考えていると
「そういえば」
「ん?どしたの、ロー」
「あれから、両親の体調に変化はないのか?」
「2人とも、元気だよね?」
「?なんの話?」
「あれから、ってなんだ?」