生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第4章 ここへおいでよ
「セナ」
「あ、シャチ」
少し離れたところで話を聞いていれば、案の定セナに色々言ってるみたいだった
誰にも分からんだろうが、俺には今のセナが先ほどまでと違う雰囲気を纏ったのが分かる
多分此処にペンギンがいたなら、彼にも分かるだろう
「白石さんの知り合い?」
「うん、幼馴染なの」
「生徒会室に挨拶、ペンギン来てるからもう行こうぜ」
「え、ちょっ…待ってよシャチ!」
腕を掴んで鞄持ってやって急いでその場から離れる
一刻も早く、セナにこんな雰囲気でいて欲しくない
「あ、シャチにセナ」
「おーペンギン!ナイスタイミング、生徒会室行こうぜ」
「…なんかあったのか?」
「それは後で。さっ、行くぞ〜〜」
「ちょっといい加減離してよ!」
「この学校超広いから、絶対お前迷子になる」
「あー確かに。じゃあ反対側は俺で」
「いやいやいや!迷子になんかならないし、ちょっペンギン?!」
「「問答無用」」
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「で、それはどういう状況だ?」
捕えられた宇宙人の如く、ペンギンとシャチに手を繋がれ両サイドを固められたセナは騒ぎ疲れたのかぐったりしている
結局なんだかんだと言い合いながら、3人はこのまま生徒会室にやってきた
既に会長の席へと座っていたローは、その仲睦まじい光景にどす黒い感情が渦巻く
「ここまで迷子にならんよーに、連れてきました」
「だからならないってば!」
「昔からすぐ迷子になって泣いてたクセになぁ」
「一つ聞くが、お前達は幼馴染、なのか?」
シャチとペンギンとはそこそこの付き合いだが、女の幼馴染が居るとは聞いたことがない
「そうなんスよ!俺たち小ちゃい時からずーっと一緒で」
「中学でそれぞれ男子校と女子校に行ったんですけどね、たまたま3人とも目指す高校が一緒で…ここを受験したんです」
「お前ら…中学の時にンなこと言わなかったじゃねェか」
「「あーいやそれは…」」
中学時代のローは爛れた生活を送っていたのだから、2人もついつい疎遠にさせてしまうというものだ
「ちょっと待って、2人とも会長さんと知り合いなの?!」
「あ、言ってなかったっけ?俺らとロー先輩は同中出身なんだよ」
「卒業してからも仲良くさせてもらってたしな」
「そうなんだ…」
私の知らない2人が居るのは、少し寂しいな…