生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第4章 ここへおいでよ
「で、いい加減その手を離したらどうだ」
「!」
未だ3人で手を繋いだままなのが、ローにとっては気にくわない。内心ずっとイライラし続けていた
離す気配もないので思わず口にすると、セナが真っ赤になって2人の手を振りほどく
「お見苦しいものを…」
「あ?…そういうんじゃねェ」
「え?」
「お前は俺のモンだ。易々触られてんなよ」
俺だって触りたいのに…柄にもないことが口を吐きかけて思いとどまる
なんだって、たかが女1人にこんな…心が掻き乱されるのか
「あのッ…その、俺の女っていうの…やめてもらえますか」
「…なんでだ」
「なんでって…私は貴方のことをよく知りませんし、貴方だって私のこと」
「これから知っていけばいいじゃねェか」
「そういう問題じゃなくて…私じゃ、貴方には釣り合わないと思うんです。もっと貴方の隣が似合う人が他に」
回りくどい言い方に、イライラする。本人の口を吐く言葉のはずなのに、その言葉にはセナの気持ちが一切汲まれていない
俺に釣り合うだとか、似合うだとか…そんな言い訳は聞きたくないから、思わず机を叩いた
ビクッと目の前の3人が肩を竦める
「…釣り合うか、似合うかは俺が決めることだ。お前は…セナは俺をどう思うんだ」
「え?」
「俺のことは、嫌いか?」
卑怯な聞き方をした
けれど、その言葉に少し思い悩んだあとで顔を真っ赤にするのは…もっと卑怯なんじゃないのか
そんな顔を見せられて、手放せるわけがない
「…嫌い、じゃないです」
「だろうな」
「ッなっ…!」
「言っただろう、お前は俺を好きになると…だから俺の手を取れ、セナ」
「でも…」
『"彼女"じゃないよね…?』
浮かんでくるのは、冷めた視線
ゾクリと、背筋が凍る
「…何かあったのか」
「いえ…」
「大方女どもに何か言われたんだろう」
「そんなこと、ないです」
「…ハァ」
こうなることは予想していた、それでもセナを守り抜く覚悟も自信もある
だからこそ、側に置いておきたいとも思うのだ…決して独占欲やそういうものだけでなく
「幸い、お前には此処にいる理由があるだろう」
「…?」
「幼馴染が2人も居るんだ、これ以上の理由はない」
「そう、ですけど」
「必ず俺がお前を守る。だからこの手を取れ…ここに来い、セナ」
此処が新たな居場所…ー