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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第16章 初めての…(*)


「セナのことになると、いっぱいいっぱいなんだって」
「キャプテン…ちょっと俺様だもんね」
「「いや、かなりだろ」」

見つめ合う2人の背後で、仲良しトリオがヒソヒソと現状を冷静に分析していた
しかし、その声はきっちりとローの地獄耳に届いていて

“ROOM”


「「ぎゃあっ」」
「きゃっ?!」

急にボトリと鈍い音が聞こえ、その方向を見るとバラバラになった3人の姿

「え、、うぇ」

状況が理解できず、また目の前のグロテスクな光景に吐き気を催したセナが思わず背を向ける

「あーほら、いきなり見せるから」
「?!」
「自分の技のむごさ分かってくださいよ、いい加減」
「しゃ、しゃべ…!」

背を向けた惨状から、呑気な幼馴染達の声が聞こえて思わず振り返ると
首から上だけになって転がった2人が、呆れた様子で言葉を交わしていた

「セナ、セナっ」
「ベポくんまで…!」
「足もと気をつけてね。どれか一つでも欠けちゃうと、流石に元には戻れないんだ」
「ええっ!」

床に転がった肉塊を傷付けないようにするプレッシャーにも怯えたが、元に戻るという事実に心底驚いた

「戻るの…?」
「こんな姿でもピンピンしてっからなぁ。あ、そこの腕とって」
「これが会長のオペオペの実の能力の一つってわけな。あ、その足元の俺の足」

しかも更に驚いたのが、この現状に慣れているかのような幼馴染たちと1匹
セナは頭が追いつかないまま言われるがままに、散らばる各々のパーツを組み立てていく

暫くするとパズルが完成したように、確かに元の姿に戻った
先ほどまでバラバラだったというのに、接合部であろう部分には傷口の一つもない

「信じられない」
「あいにくだが、これが現実だ」

何事もなかったかのように、奥の書庫に資料を取りに行っていたローが戻ってくると会話に割り込んできた

「よく平気だね」
「お前も明日、ああなる」
「…はい?」

此方に視線を寄越すことなく、ローはごく当たり前のように告げる
その内容に思わず顔を引きつらせた

「今、なんと?」
「ああ、お前の珀鉛を取り除くオペは毎年誕生日にすることにした」
「はぁあ?!」

確かに数時間前、年に一度少しずつ心臓の珀鉛を取り除いてもらう話はした
けれど、それがいつどのように行われるのかはまだ聞いていなかったはず
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