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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第16章 初めての…(*)


「え?なになに?」

抱きついているシャチとじゃれ合いながら、自分の名前が呼ばれたことにベポが反応する
すると、セナも2人の元へと駆け寄ってゆく

「ローがね、拗ねちゃって」
「?なんで?」
「シャチにベポくん取られたからだって。もーシャチ、離れなよ!」
「いやお前それ絶対ちが…ヒィィッ!」

引っ張られるので振りほどいてツッコミを入れようとしたシャチが振り向くと
ベポからシャチを引き剥がそうとしているセナの背後でローが鬼哭を抜刀しようと構えている

「それでね、ベポくんは愛されてるのねって言ったら、何を今更って」
「……おい…」
「もーお前喋んな!バカセナ!!」

明らかに怒りの矛先が自分に向いている気がしてならないシャチは、これ以上セナが余計なことを言う前にその口を塞ぐ
すると今度は

「俺ってそんなにキャプテンに愛されてたんだね…!」

感慨深げに瞳を潤ませたベポが、ほんのり頰を赤らめて嬉しそうにはしゃぎ始めた
もはや何処からツッコめばいいのやら、シャチは全てを放棄したくなる

「廊下が騒がしいと思えば、やっぱりアンタたちね」
「っぷは!あ、ナミ?部活はどうしたの?」
「部活に行こうにも、この人だかりじゃ廊下通れないんですけど?」
「…あれ?」

いつの間にか、4人の周囲には生徒たちの人だかりが出来ていた
そこに現れたのはワザとらしく肩を竦めたナミ
呆れ気味に4人を一瞥すると、セナの肩を掴む

「あんたね、もうちょっとトラ男の気持ち考えてあげなさいよ」
「?なんのこと?」
「誕・生・日!どーせ言ってないんでしょ」
「だって自分から誕生日言うのって、なんか恥ずかしくない?」
「バカね。普通彼氏には言うでしょうが!一番に祝ってもらいたいとか思わないワケ?」
「うーん」

ナミがセナの額に軽ーいデコピンをお見舞いすると、それでも何やら唸っている姿に微苦笑する

「こんな鈍すぎるのが彼女じゃ、トラ男も苦労するわね」
「そんなに鈍くないし!」
「じゃあトラ男がなんで不機嫌だったのか、ちゃんと分かってる?」
「シャチがベポくんを「それが鈍いって言ってんのよ!」…ええー…」

余りにも予想の斜め上をいく彼女の発想に、ナミが思わず声を荒げるとこめかみを押さえて重い溜息を吐く

「アンタが誕生日教えなかったからでしょ」
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