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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第15章 ステキな出会い


セナがシロクマ好きなのは、一度耳にしていた
コラソンに自己紹介をしたときに言っていたのは覚えている
なんなら今思えば、家の鍵にもシロクマのキーホルダーが付いていた
そして身の回りにも、なにかとシロクマを模したアイテムが多かった気がする

なので、生きて人語を喋るシロクマのベポに出会えば
それはそれは、この状態を免れない。実際に現状免れなかった
だからローは、ベポと会うときはいつもセナが居ないときにしていた

こうなることが、分かっていたから

『胸糞悪ィ…』

自分自身の器の狭さに嫌気がさすほど、今ローはベポに嫉妬している
先ほどサンジに突っ込まれたとき、否定はしたが薄々気付いていた

自分はセナのことに関すれば、どうしようもなくヤキモチ妬きなのだと
それこそ長年の相棒であり、シロクマであるベポにさえ嫉妬してしまうほど

セナが幸せそうに笑っているだけではない
その手で触れて、その瞳で見つめて
ローのことなど忘却の彼方に忘れ去っているような態度
はっきり言って、非常に気に食わない


その笑顔が、手が、瞳が…自分だけに向けられて、触れて、映せばいいのに

女々しくもそんな風に思ってしまうことに、内心自嘲気味に笑うことしかできない
しかしそんなことを、口に出せるわけもなく…ただ溜息ばかりが出る

「キャプテンどうしたのかなぁ…」
「ローが、どうかしたの?」

立て続けに溜息ばかり吐いているローを見て、ベポが心配そうに呟く
それに反応してセナもローを見遣った、確かに何かに落ち込んでいるような…難しい顔をしている

「お腹空いたのかな?」
「あれ、お昼食べてないの?セナも?」
「うん、サンジさんが持って来てくれたんだけどね」
「黒足のお弁当あるの?!いーなー俺も食べたいなぁ」
「じゃあベポくんも一緒に食べよう!」

一度ベポの膝から降りると、置いてあった重箱を手に取りローの前に行くと手を取る

「?なんだ」
「お腹空いたんでしょ?ベポくんも一緒に、3人でご飯食べよ?」
「別に空いちゃいねェが」
「そう?じゃあなんでそんなに難しい顔してるの…」

眉間をツンとつついて、首を傾げる
そんな仕草に、ローが抱きしめたい衝動に駆られていることをセナは気付かない

「この顔は元々だ」
「嘘。なんか機嫌悪いでしょ」
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