生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第15章 ステキな出会い
ローのそっけない態度に、今度はセナがムスッとしてしまう
しかしどうして不機嫌とまでは察せるのに、その理由まで分からないのかがローには不思議でならない
ほとほと、自分に関わる感情には無頓着すぎて周りが…
主にロー自身が嫉妬するばかり
セナ本人はそんなことに一切気付かないのだ
そう思うとなんだか無性に腹が立ってきて、目の前でほんのり頰を膨らませている顔を引き寄せる
ちょんと尖らせた唇に噛み付くように口付けようとしたら、それに気付いたセナが腕を突っぱねて拒否した
「なんだこれは」
「ベポくんいるでしょ…!」
「…居なけりゃいいのか。おいベポ」
やる事もなくぽけーっと窓の外を見つめていたベポが、いきなり呼ばれたことに首を傾げて振り向く
「なに?キャプテン、どうしたの」
「ちょっと外に出「ほら!サンジさんのお弁当美味しそう!みんなで食べよ!」
「わーい!黒足のお弁当ー!」
「…チッ」
ベポを追い出そうとしたローに、慌てて割り入るとお弁当を広げてみせる
するとベポの注意は完全にお弁当に惹きつけられ、ローに呼ばれたことをすっかりと忘れてしまう
そのことに舌打ちが聞こえたのは無視しよう
セナは内心ホッと息を吐く
ここでベポに出て行かれれば、絶対キスだけじゃ済まされないことが起きそうだったから
「どれ食べていい?」
「どれでも!ベポくんの好きなの食べて?ローもね」
「…おま「うん、このお肉食べる?はい!」
食欲をそそるような肉料理を、一つ箸でつまむとローの口元に持っていく
既にお弁当を食べ始めていたベポには、ローの言葉は聞こえていなかった
セナは小声でローに抗議の声を上げる
「だからなんでそういうこと言うの?」
「本心だから仕方ねェだろうが」
「仕方なくない!」
ギャーギャーと小声で言い合っている2人を、モグモグと食べ進めながらベポは眺めていた
2人の距離、なにより長年側に居たローの表情や態度から…仲の良さが伺える
『キャプテン、嬉しそうだなぁ』
自分や、シャチやペンギンでもこんなに嬉しそうなローは見たことがない
きっと自分たちがローと出会って変わったように、ローにとってセナとの出会いが彼を変えたのだろう
そしてきっとセナにとっても、それは同じく
全ての出会いが、運命的でステキな出会い