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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第15章 ステキな出会い


「サンジさん…居なくなっちゃった」
「用件が済んだからだろ」
「お礼言ってないよ…まだ近くに居るかな」
「おい、」

ローから離れて、慌てて保健室を出ようと小走りに駆け出す
急いで扉まで駆けて行き、扉を開けると突然視界にオレンジ色が広がった

「わぷ」
「わぁごめん、大丈夫?!」

勢い余って、そのオレンジ色にぶつかるとフカフカとした感触に押し返される
そして頭上から降ってきたのは、心配そうな男の子の声

なんとなく状況が理解できずに顔を上げたセナは、目を見開いて固まった
その背後からローが顔を出すと、再び男の子の声がする

「あっ、キャプテン居た!探したんだよー」
「待てセナ…ベポ、どうした」
「もーっ!今日は昼休みに部活の会議があるって昨日連絡したよ?!」
「ああ、忘れてた」

固まっているセナとは裏腹に、何事も無いように近付いてきたローの両肩に白いモフモフの塊が乗せられた
対照的な2人が見上げる先には、これまた白い毛皮に覆われた顔とつぶらな瞳

「忘れてたって、しっかりしてよキャプテ「クマが…シロクマが、喋ってる?!」

先ほどから聞こえる男の子の声は目の前のオレンジ色のつなぎを着た、巨大なシロクマから聞こえている
どうやら着ぐるみかと思ったが、先ほどの感触は本物のシロクマとしか思えない

「ク、」
「?」
「クマが喋ってスミマセン…」
「ええっ?!」

喋ったことにただ驚いただけなのだが、シロクマはガックリと項垂れ落ち込んでしまう
大きな身体が、シュンと小さくなった気がして…そのハートの弱さに思わず声を上げた

*****

「そっかぁ、セナはキャプテンの彼女だったんだね!知らなかったよ」
「ローってば、シロクマのお友達が居るなんて…なんで早く言ってくれなかったの」

「………」

パイプ椅子に腰かけたローが、こめかみを押さえて険しい顔をしている
その原因は、目の前に広がる光景についてだ

「わぁ、本当にモフモフしてる」
「くすぐったいよ〜」
「ふふふ、このまま寝れそう」

ベッドに腰掛けたシロクマ…ベポと呼ばれる彼の膝に、セナは腰掛けていた
そして先ほどから、ベポのあちこちに触れ何度もその毛皮に顔を埋めているセナ

「はぁ〜幸せ」

その表情はまさしく至福といった様子。それがローは気に食わなかった
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