• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第14章 星空は海に沈む


「ローの小さい頃の写真を見せてもらったの」
「…あいつ」
「怒らない!ね?」

幼馴染たちの笑い話をしていたら、子どもの頃の話に発展し
幼い頃の写真を送り合った
シャチとペンギンと3人で写った写真を送ると、返事はすぐに来た
ラミ自身のものだけが送られてくるかと思いきや、その隣には帽子を被った目つきの悪い少年が、カエルの足を掴んで無表情で並んでいる

その少年を見て、それがローだと認識して…セナは思わず息を飲んだ

『あの時のお兄ちゃんが…ロー?』

言われてみれば面影がなくもない
目つきの悪さや、変わった柄の帽子や…重なる部分はいくらでもあったのだが
しかし10年近く前の話だ。記憶もどこか曖昧になりつつあるもので

「私も小さかったし、あんまり覚えてなくて…全然気づかなかった。ごめんね?」
「まァ俺もだ…お互い様だな」

まさか同じ学校に通い、恋人同士にまでなった2人が
お互いのことを知らずに、過去に一度出会っていた

今まで気付かなかったとはいえ、なんという数奇な運命


「お兄ちゃんに、ローに会えて…私嬉しい」

あの時手を差し伸べてくれた少年に
ずっとずっとお礼が言いたかった
しかし探すアテがあるはずもなく、どこか遠い記憶の奥底に埋もれてしまっていた想い

嬉しそうにはにかむセナとは相反して、ローはどこか釈然としない顔をしていた

「…ロー?」
「なぜあの時」
「?」
「俺の前から姿を消した」

助けを求めてきた少女の両親を助けることはできた
しかし彼女自身も珀鉛に侵されていたのに
ドフラミンゴはああ言っていたが、ローを翻弄させるための嘘かもしれない
なにより真相を、本人の口から聞きたかった

「だって、無理しようとしてくれたんでしょ?私のために」
「別に」
「死ぬかもしれないのに。それこそどうして、私なんかのために?」

ほんの少し言葉を交わしただけの、名前も知らない少女のために何故そこまで覚悟ができたのだろうか

ローは見上げてくる強い瞳を見下ろした
室内の灯りが映り込み、キラキラと輝いている澄んだ瞳につい見入ってしまう

「?ロー?」
「…お前の目は星空みてェだな」

掴んでいた腕をほどき、頰に手を添えると寄り添うように小首が傾げられる
瞳の中の輝きが、反射したのかキラリと強い光を放つ

「初めて会ったときから、守りたいと思った」
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp