生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第13章 自由を求める男
セナの声に、ピクリと小さな耳が反応する
「セナは俺の彼女だ。それに麦わら屋たちも知っている」
「びっくりさせてごめんなさい」
「ルフィたちも?…オレはトニー・トニー・チョッパー。えっと、セナはオレのことが怖くねェのか?」
ローにしがみついたまま、未だ涙声のチョッパーが不思議そうにセナを見上げた
その問いかけに、不思議そうに首を傾げてしまう
「え、怖い…?」
「こっ、怖いのか?!」
「あっ違います。そうじゃなくて、…か」
「「か?」」
続きの言葉に予想がつかず、思わずローも問いかけた声がチョッパーと重なる
「可愛いなぁ、って…」
「…う、嬉しくねェぞ!コノヤロー!」
「嬉しいんだな」
「嬉しいんだね…ね、ロー」
「?」
ほんのり頬を染めながら、ローに向けて腕を広げる
珍しく素直な態度に、思わず緩みそうになる口元を引き締めた
伸ばされた腕を掴んで、こちらに引き寄せようとすると何故か力が込められる
「?おい」
「いや、ローこそ。なんで引っ張るの」
「お前が誘ってきたんだろうが」
「さそっ…?!そんなことしてない!」
慌てふためきながら腕を振りほどかれ、無意識にムスッとしたロー
既に離れて踊っていたチョッパーを避け、セナに詰め寄る
「さっき赤くなって、腕広げて誘ってきたのはどこのどいつだ」
「ええ…そんなこと、、あっ」
「なんだ」
「あのね、さっきの。…トニーさん抱っこしたいなって思って。それで」
ローにしがみついていたチョッパーを渡してほしくてとった行動が、思わぬ勘違いを呼んだらしい
「……」
「あの、なんか。ごめんね」
「…別に」
クルリと背を向けてしまったローに、なんだか申し訳なくなって謝る事しかできない
「トラ男、顔真っ赤だぞ?!熱でもあんのか?!」
「…ほっとけ」
「ほっておけねェよ!オレは医者だぞ!」
ただ勘違いしていた恥ずかしさから、思わず赤くなってしまっただけなのだが
目が合ったチョッパーは高熱が出たと、これまた勘違いで
「トニーさんはお医者さんなんですね!」
「ん?そうだぞ!オレはこの学園の保健医なんだ」
「?!そうなんですか!」
ローが可哀想に思えてきて、助け船を出すと上手くこちらに気が逸れてくれたようだ
「敬語じゃなくてもいいぞ!それにチョッパーって呼んでいいからな!」