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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


キーンコーンカーンコーン


話しのキリのいいところで、昼休みに入るチャイムが鳴る

「教室戻らなきゃ」
「待て」
「え?きゃっ」

ベッドから立ち上がろうとしたところで、声を掛けられてローの方を見遣ると
肩を押されてそのまま視界が一転し、ローの背後がカーテンから天井へと早変わりした

「いやなんで?!」
「あ?消毒するんだろうが」
「今じゃない今じゃない!!」
「あとで、って言ったの聞いてやったよな?」

ニヤリと口角をつり上げて笑う顔は、明らかに分かってやっている
しかし、こういうときのローを言いくるめるだけの言葉を、セナは持ち合わせていない

「あとでが早すぎないかなー?」
「後、に変わりはねェだろ」
「帰ってからでも遅くないとおも「結局ヤるのに遅いも何もねェ」
「……ソウデスネ」

あまりにも俗物的な言い方と開き直った態度に、反論する気も失せてしまった

とは言っても、好きな人に求められて嬉しくないわけもない
結局こうして、なんだかんだ甘んじて受け入れてしまうのだ

「惚れた弱みってやつね」
「なにブツブツ言ってんだ」

いつの間にか上着を脱がせ、ブラウスのボタンに手をかけていたローが不審げに首を傾げる

「私の負けってこ「昼休憩だーっ!」


やけに可愛らしい、少年のような声が響いた
それと同時に、甘い香りも漂ってくる

ゴチンッ


人が入ってきたことに、びっくりしてセナが上体を起こせば
入ってきた声に驚いて他所を向いていたローの顎に頭をぶつける

「「いッ、つ…」」
「なんかすごい音したけど、誰かいるのか?」

シャッとカーテンが開く
薄暗かった空間に、陽の光が差し込んだ


「……ぬいぐるみ?」

目の前にいたのは、青い鼻に大きな角を携えた妙ちくりんな生き物
ローの腰にも及ばない身長のようだが、きちんと白衣を着ている

「あれっ、トラ男がいる!」
「ルフィたちと同じ呼び方…ロー知り合い?」
「はっ!お前誰だ?!」

引いたカーテンから、全身はみ出して此方を伺うように見ている

「逆、じゃないですか」
「!!あ、あわ」
「トニー屋落ち着け。こいつは敵じゃねェ」
「トラ男~~ッ!!」

半べそかいた小さな生物はローに飛びついた
とりあえず自己紹介をしてみる

「トニーさん、初めまして。私白石 セナって言います」

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