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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第4章 ここへおいでよ


私より少し背の高いペンギンが、安心させるように私の頭を撫でた
それだけで先程までの荒んだ気持ちがまぁるくなっていくのが分かる
するとペンギン越しに、シャチが此方へ手を振っているのに気が付き手を振り返す
「やぁっと見付けたぜセナ!さっきの大丈夫か?」
汗だくになってる彼は、私を探して校内を駆け回っていたらしい。ペンギンと同じく一部始終を見ていたのだ、よほど心配してくれたのだろう
「ごめんね、シャチ…こんなに汗かいて」
「ははっ、なんてことねーよ!セナが元気なら、それでいいんだって!な、ペンギン!」
「そうそう、セナは元気で笑顔なのが魅力的なんスよ!俺たちが保証するから」
「ありがとう、2人とも!」

長い付き合いの彼らは、当然のように私を味方し励ましてくれる。それがすごく温かくてくすぐったい
そして私がそんな気持ちになったのは、これで2度目だということに気付いて胸の奥が切なく締めつけられる
1度目はそう、初めて足を踏み入れた桜並木の下で…何も言わずただ私の涙を受け止めてくれた人が居たこと

「この後は簡単なHRだけで解散になるんだと。俺たちは生徒会室に挨拶行くけど…セナどうすんの?」
「無理矢理入れられたってことなら、顧問に言えば分かってくれるとは思うけどなぁ」
「ううん、私も行くよ…生徒会室」

自ら望んだ結果ではないとしても、新たな門出に任されたものは逃げることなく全うしたい
幸いにも、幼馴染が2人とも同じ場所に居てくれる
何より、トラファルガーさんとこのままじゃいけないと思う。思わずとはいえ、叩いてしまったことを謝らなくちゃ
それから…それから

自分のこの燻る気持ちの正体をハッキリさせたい

「あーそれはこ…フガッ」
「会長に会って、ハッキリさせられたらいいな」
「…うん」

伏せ目がちに俯き、ほんのり頰を染めるセナにペンギンとシャチは応援したいような、寂しいような複雑な心境

((俺たちの守ってきたセナが…まさかあの人に))


よりによって、とでも言うべきか…トラファルガー・ローという男を2人はよく知っている
共に同じ男子校だった中学時代、当時校内を常に騒がせていたのは彼だったのだ
さらに言えばその騒ぎをローと共に起こしていた自分たち
セナは女子校だったから、知るはずもないけれど
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